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高校生が文科省に意見書
性自認や自己表現を尊重する校則・制服に
2022年2月1日8:15PM
一般社団法人「Voice Up Japan(ボイスアップジャパン)」高校生支部は1月7日、生徒の個性を尊重した校則・制服制度への改善を求める意見書を文部科学省に提出し、東京・霞が関で会見した。
同高校生支部は2021年5月から「ジェンダー・セクシュアリティなどのアイデンティティが否定されずに、誰もが自分らしく生きられる社会を実現する」を目標に掲げて活動している。近年、校則や制服についての議論が活発化し、多様性を尊重した社会の構築を求める声が高まる中、高校生自身が声を上げ問題の緊急性を訴える必要を感じたことが意見書提出のきっかけ。昨年6月にネット上で制服や校則についてのアンケートを行ない、アンケートの分析結果をもとに意見書を作成した。
アンケートの回答者数は311人で、59%が高校生・高等専門学校生、32%が大学生・専門学校生、そのほか社会人など。通っていた高校は関東38・1%、中部34・8%、北海道8・0%など。
制服については、制服がある/あったと答えた回答者(全体の68・8%)のうち、59%が「男子と女子で異なる制服デザインが固定されていた」、35・1%が「女子はスカート、スラックスなどの選択肢はあったが、男子は無かった」と回答。また、制服の必要性については「必要ない」(27・3%)、「どちらでもよい」(47・6%)、「制服は必要」(25・1%)だった。
校則については、「非常に不満」(15・4%)、「不満」(31・2%)と、不満を感じていた人は約半数。「廃止すべき/必要ではないと考える校則」について聞く質問(記述式)で最も多かった回答は「頭髪の制限」(140人)で、「衣服の制限」(98人)、「化粧の禁止」(61人)、「アクセサリーの禁止」(50人)、「特になし」(31人)が続いた。一方、「必要と考える校則」について聞く質問(記述式)では「特になし」(80人)が最も多く、「法律に反すること・常識など」(54人)、「染髪・パーマの禁止」(16人)、「着こなしなど身だしなみの規則」(16人)、「化粧の禁止」(12人)が続いた。
合理的理由なき規制
会見した高校生らは、制服制度に不満な理由についての記述式回答の中に「自分は生まれ持った性別が女性だが、性自認は高校時代は男性よりでスカートを履くのがすごく苦痛だった」「友人はXジェンダーでスカートを嫌がっており、私も、胸が強調される制服の形に違和感と嫌悪感があった」「女子だけにスカートとスラックスの選択肢がある。理由を聞くと『女性がズボンを履くのは違和感がないが、男性のスカートは一般的でない。まだ男子にスカート導入は早い』と言われ、これだから何も変わらないのではないかと感じた」といった回答があったことを紹介。「デザインがお洒落」「制服を着ることがステータスで生徒のアイデンティティだった」など制服を肯定的に捉える意見もある一方で、特に「生徒の性自認や、表現したい個性に配慮のない制服制度」がある現状を訴えた。