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関電原発不正マネー還流事件
検察審査会に申し立て
2022年2月11日5:57PM
関西電力の原発マネー不正還流事件(2019年9月26日の共同通信社の配信を契機として明らかになった、(1)関電役員等が福井県高浜町の元助役の森山氏及びその関連会社から3億6000万円を超える金品を受け取っていた問題、(2)関電が発注する工事について森山氏及びその関連会社に事前情報提供、事前発注約束をし、発注していた問題、(3)「脱税分」を補填(ほてん)していた問題、(4)役員報酬減額分を補填していた問題)につき、2019年10月に「関電の原発マネー不正還流を告発する会」が呼びかけ、全国より、のべ5577人(重複あり)が関西電力の八木誠前会長や岩根茂樹前社長ら9人を大阪地方検察庁に特別背任罪などの疑いで刑事告発し、2020年10月5日に正式受理された。
しかし大阪地検特捜部(田仲信介検事)は2021年11月9日、「犯罪の立証に十分な証拠がない」などとして全員を嫌疑不十分で不起訴処分とした。このことを不服として、1月7日、告発した市民ら1194人が大阪検察審査会に審査を申し立てた。
当日、オンラインによる記者会見が開かれた。代理人の大河陽子弁護士より、167ページにわたる申立書について、不正マネー還流の実態を図表を用いて説明し、検察は強制捜査もせず、金沢国税局や大阪国税局と反する判断をし、関西電力内部の検察OBにそんたくした可能性を指摘した。
同じく代理人の海渡雄一弁護士は、「担当検察官とは何度かお会いしているが、やる気を持っていた。最初の段階に会った時、金品の受領と不正発注が重要で、追加納税と補填は当然に起訴できるという感じだったのに、全部不起訴とは、無理やりだと思う。不適切発注のやり取りは関電の第三者委員会の調査報告書の中にたくさんある。これが犯罪ではないのなら何が犯罪になるのか。この件が起訴されて真相が明らかになることは、会社をまともな経営状態にするために必要不可欠。起訴することで関西電力のうみを出してほしい」と述べた。
申立人の末田一秀さんは「取締役責任調査委員会は高値発注を認めている。関電から任意提供の証拠で高値発注というはずない。検察は何をやっていたのか、怒りでいっぱい。検察審査会のみなさまはそこをしっかり審理してほしい」と述べた。同じく、申立人の佐藤大介さんは、「関電は、金の力を使って原発を動かしている。この問題を、またか、でなく、こんなにひどい関電のやり取りを見過ごしてしまったら、世界に対しても恥ずかしい。関電は今後も随意契約をしようとしている。絶対ここは見過ごさないで関電にやめさせていきたい」。
同じく、申立人のアイリーン・美緒子・スミスさんは「健全な検察は重要。検察の不起訴の理由説明は全然論理的でなかった。判断をする十分な材料があったと言いながら、強制捜査しなかった。同じ説明の中で十分な書類が揃わなかったので黒にできなかったとも話し、完全に矛盾していると感じた。公共性の高いトップ企業である関電の取締役が税金を補填するなど私物化し、腐敗していることを追及されなければならない。市民が健全な判断を」と期待を寄せた。
最後に代理人の河合弘之弁護士は、「大阪地検は不起訴のためにあらゆる屁理屈を考え抜いた。本当によくこんな屁理屈を考え抜いたと感心しているくらいだ。このような醜いことを覆すのは市民の良識しかない。私たちは市民の力を信用して申し立てをした。11人中8人による起訴相当を2回勝ち取る。私は関西の市民の良識と力を信じている」と締めくくった。
なお、2月に140人の市民が第2次申し立てを予定している。
(脱原発弁護団全国連絡会、2022年1月28日号)
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