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新たな選択肢「経口中絶薬」
日本女性に産む産まない、中絶方法の自己決定権を
神原里佳|2022年3月31日8:27PM
経口中絶薬に関しては、承認申請の報道後、「安全に中絶できるのか」「悪用や転売をされるのではないか」「薬が普及することで望まない妊娠が増えるのでは」などの疑問や懸念が持ち上がっている。カタリーナさんは、それらに対し「自然流産と同じ症状のため出血や腹痛は当然ありますが、出血多量などの事故は全体の0・04%に留まっています。悪用や転売は他の薬でも起こりうること。また、望まない妊娠を防ぐのは性教育やパートナーとのコミュニケーションです」と明快に答える。
海外では体に負担の大きい中絶手術ではなく、自宅で薬を服用する中絶法が主流になりつつある。特にコロナ禍の英国やフランスでは、非対面の診察と郵送される薬剤で多くの人が中絶を成功させているという。
カタリーナさんは「日本を含め、アクセスしてくる女性は、中絶を自分自身で安全に行なうという意識を強くもち、教育水準に関係なく薬について質問し、服用方法もきちんと守っている。それが高い成功率につながっている」と強調。「女性は自分の体について自分で管理・決断する能力や判断力がある。日本社会がもつ女性への偏見をなくしていかなければならない」と呼びかけた。
(神原里佳・ライター、22年2月4日号)