北海道電力 泊原発廃炉訴訟
5月31日に判決
津波で初の原告勝訴となるか
脱原発弁護団全国連絡会|2022年5月27日7:00AM
北海道電力泊原発の廃炉等請求訴訟の判決が5月31日午後3時、札幌地裁(谷口哲也裁判長)で言い渡される。
判決期日に先立って、5月16日に記者レクが行なわれた。原告弁護団の菅澤紀生弁護士が、訴訟提起前から遡ってこれまでの経過や、主な期日での裁判所の訴訟指揮と双方の主張等を説明し、予想される判決の内容や各論点を解説した。
北海道電力は、個々の論点について原子力規制委の判断を待ってから具体的な主張をするとしたが、裁判長は「裁判所は裁判所として判断をする」と明確に述べてきたという。そして、現に、泊原発の設置変更許可が下りていないなか、裁判は結審となった。
最も有力な争点のひとつが津波対策。基準で求められている津波防護施設がないにもかかわらず、被告北電は明確に反論していないという。津波対策が不十分だとして住民側が勝てば全国で初めての事例となる。
海底活断層についても北電の主張は不十分。海底活断層を考慮していない基準地震動の設定及びそれを前提とする耐震性の審査は不適法であるとの原告の主張に対し、北電は詳しい反論は未了。敷地内活断層については、北海道電力による追加調査を経て原子力規制委は活動性がないという判断に至ったが、訴訟においては、被告の詳しい主張及び立証を待たすに結審している。
市川守弘弁護士は、従前の原発訴訟の立証責任論を前提として、「北電の勝つ要素がない」と述べた。この判決が3・11後、9件目の住民側勝利となるのか、裁判所の判断に注目したい。