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大津地裁が平尾道雄・滋賀県米原市長らの証人採用を決定
関電原発運転差し止め訴訟

瓜生昌弘・福井原発訴訟〔滋賀〕を支える会事務局長|2022年6月24日6:35AM

記者会見する井戸謙一弁護団長(左)と関口速人弁護士。

 

 関西電力が福井県に設置している原発7基(高浜1~4号機、大飯3、4号機、美浜3号機)の運転差し止めを求めた裁判(2013年12月24日提訴)の第33回口頭弁論が6月2日、大津地裁であった。

 今回の注目点は、原告側が2020年5月1日付で申請している証人の採否に関する裁判所の判断だった。原告が申請しているのは、福島からの避難者の菅野みずえさん、放射性廃棄物の専門家である柴邦生氏、避難計画を担当している自治体首長の平尾道雄米原市長、地盤の専門家である元京都大学教員の赤松純平氏と芦田譲京大名誉教授の5人。原告の申請に対して被告関電は、証人は不要という意見書を改めて提出。その理由は、避難者はこの裁判に関係ない、とくに専門家の証人には法廷で直ちに反対尋問はできないので書面で意見を提出してもらえればいい、というものだった。

 裁判が始まる前の進行協議で堀部亮一裁判長は、証人尋問に関する原告、被告双方からの意見を聞いた後、3人の裁判官で合議をし、次のとおり裁判所としての判断を示した。

 ①原告が証人申請している5人について、(関電意見書のように)必要性がないとまで言い切ることはできない。②5人全員を採用することとし、計画的に尋問を行なう。③まず、避難者である菅野さんの尋問を先行して次回口頭弁論期日に行なう。④その次の証人は、放射性廃棄物の専門家、自治体首長、地盤の専門家2人と考えているが、詳細は改めて次回の進行協議で協議する。日程調整の結果、2人を同じ期日にすることもあり得る。

 堀部裁判長は前回の進行協議で、尋問は判決を書く裁判体が聞いた方がよいという趣旨の発言をしていた。これに対して原告代表が、来年3月で大津地裁で丸3年となる堀部裁判長に対して、通常の裁判官の人事ローテーションにとらわれず、自らが責任をもって早期判決を出すよう強く求めた。このことがどう受け止められたかは定かではないが、こうした原告の願いを受けて、大津の原発裁判は、判決に向かって大きく動き出したと言える。最速で再来年3月判決もあり得るというのが弁護団の見立てだ。

 次回口頭弁論は9月1日午後2時半から菅野みずえさんへの原告側主尋問と被告側反対尋問を予定している。

瓜生昌弘(福井原発訴訟〔滋賀〕を支える会事務局長、写真も)

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