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自民党に5万超の抗議署名
LGBTバッシングの背景に宗教右派との関係

宮本有紀|2022年9月16日10:12AM

実際、参院選で同性婚反対を訴えていた井上義行議員は旧統一教会の「賛同会員」で、友好団体「世界平和連合」から支援を受けていたことが報じられている。神道政治連盟国会議員懇談会の会長を務めた安倍晋三元首相は、選択的夫婦別姓や同性婚の導入に頑なに反対していた。また、LGBT理解増進法案の提出に反対し、トランスジェンダー女性について「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、アメリカなんかでは女子陸上競技に参加してしまってダーッとメダルを取るとか、ばかげたことはいろいろ起きている」と偏見に満ちた発言をした山谷えり子議員も神道政治連盟が支援する候補者だ。

安倍元首相の主張の根拠はどこから?

右派によるジェンダーバッシングに詳しいモンタナ州立大学の山口智美准教授は、統一教会や神道系の宗教団体をルーツとする日本会議などの宗教右派が2000年代に起きたフェミニズムへの反動を主導し、性教育や選択的夫婦別姓への反対運動に関わってきた歴史を解説。LGBTの権利擁護批判にもつながっていると述べた。

記者会見する署名の呼びかけ人ら。(撮影/宮本有紀)

選択的夫婦別姓の実現を求め活動する選択的夫婦別姓・全国陳情アクションの井田奈穂事務局長も、「宗教団体が選択的夫婦別姓の反対活動を行なっていて、神社の境内で旧統一教会系の国際勝共連合による『やっぱり危ない!選択的夫婦別姓論』や神道政治連盟の『選択的夫婦別姓ってほんとうに必要なの?答えは「ノー」です!』などのチラシが配られていることを確認している」とし、日本会議の政策委員が代表を務める日本政策研究センターが各地で自民党議員相手に選択的夫婦別姓に反対する勉強会を開いたり講演したりしている実態に言及。「安倍元首相が月刊誌『WiLL』(ワック)で『夫婦別姓は家族の解体を意味する』『家族から解放されなければ人間として自由になれないという左翼的かつ共産主義のドグマ』と話していて、なぜ根拠もなく共産主義がちらつくのか不明だったが、国際勝共連合の主張を見て、これを根拠に言っていたのかとわかった」と関連性を指摘した。

松岡さんは「7月に埼玉県議会で成立した『埼玉県 性の多様性を尊重した社会づくり条例』に対しても、宗教右派と自民党保守派による反対運動があった」とし、「宗教右派と自民党保守派がつながり、ジェンダー平等や性的マイノリティに関する権利保障に反対し続け、その動きが法整備を妨げていることを知ってほしい」と訴えた。

(宮本有紀・編集部、2022年8月5日・12日号)

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