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世界避妊デーのイベント 緊急避妊薬を薬局で!

神原里佳・ライター|2022年10月8日7:00AM

 9月26日は「世界避妊デー」。この日、「#緊急避妊薬を薬局で」プロジェクトと、すべての人がセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利。以下、SRHR)を享受できる社会を目指す公益財団法人ジョイセフの共催で「緊急避妊薬、今どうなってるの?」と題したオンラインイベントが開催された。 

2021年10月の厚労省の検討会に参考人として出席した「#緊急避妊薬を薬局で」プロジェクトの共同代表3人。左から遠見才希子氏、染矢明日香氏、福田和子氏(提供/染矢明日香)。オンライン署名はhttps://x.gd/tcRHUからできる。

 緊急避妊薬(アフターピル)は、性行為から72時間以内に服用すれば、高い確率で妊娠を防げる薬だ。WHO(世界保健機関)が安全性を認めており、世界約90カ国で、数百円から数千円程度で薬局で入手できる薬として普及している。9月20日にはフランスの保健相が、仏国内ですべての女性が医師の処方箋がなくても無料で緊急避妊薬を入手できるようになったと発表し、日本でも報道された。

 一方、日本国内では、緊急避妊薬の入手には対面またはオンライン診療による医師の処方箋が必要。価格も6000円から2万円と高額だ。対面の受診は心理的ハードルが高く、オンライン診療も薬の配送に時間がかかる、クレジットカードを持っていない人は利用できないなどの問題がある。

 特に学生や若者にとっては必要な時にすぐに入手することが難しく、世界から見ても著しく遅れている。この現状を改善し、思いがけない妊娠で傷ついたり悩んだりする人をなくしたいと、「#緊急避妊薬を薬局で」プロジェクトでは、これまでオンライン署名や、厚生労働省への働きかけなどを行なってきた。

 昨年9月の世界避妊デー以降、厚労省が開催する「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(以下、検討会)でも緊急避妊薬のOTC(薬局販売)化が議論されるようになっており、プロジェクト共同代表の福田和子さん、染矢明日香さんらも要望者として招かれ、二度出席している。

 これまでの検討会では「薬が悪用、濫用される」「コンドームの使用が減り性感染症のリスクが高まる」などの理由でOTC化に反対する声が大きく、建設的な議論がなされていなかった。だが、9月30日に開催された検討会では、課題を提示した上で国民に広く意見を求めるパブリックコメントの実施が決定。福田さんは「パブリックコメントは声を届ける大きなチャンス。募集が始まったら多くの人に呼びかけ、関心を高めていきたい」と期待をこめる。

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