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原発汚染水海洋放出に反対の市民ら「ハガキ作戦」

片岡輝美・「これ以上海を汚すな!市民会議」ハガキ担当|2022年11月9日7:00AM

 東京電力福島第一原発の敷地内に溜まり続ける汚染水の海洋放出に反対する、福島県を中心にした市民ネットワーク「これ以上海を汚すな!市民会議」(これ海)は、10月から福島県知事と同県大熊町・双葉町の両町長あてに「汚染水海洋放出阻止を求める『関係者の声』ハガキ作戦」を始めた。

「これ以上海を汚すな!市民会議」ハガキ作戦のチラシ。

 汚染水をめぐっては昨年4月、海水に薄めて海に流すことを政府が決定。安全性への心配や放出に反対する声が国内外で高まる中、今年8月に福島県(内堀雅雄知事)と同原発が立地する大熊町(吉田淳町長)、双葉町(伊沢史朗町長)も海洋放出設備工事着工を了承。東電は放出に向けた海底トンネルの建設を開始した。しかしメルトダウンで溶け落ちたデブリに触れて発生した汚染水からトリチウム(三重水素)やプルトニウム、ストロンチウムなどの放射性物質や有害な化学物質を基準値以下まで確実に除去できるのか。海洋放出が始まれば、こうした汚染水が40年以上、太平洋に垂れ流しになる。

 原発事故で世界有数の豊かな漁場が汚染されて11年あまり、必死の思いで海と漁業の復興へと取り組んできた漁業者たちは、汚染水について東電が福島県漁業協同組合連合会との間で2015年に取り交わした「関係者の理解なしには如何なる処分も行わない」との約束を守ってほしいとして、海洋放出への断固反対を訴えている。また、福島県内の全59市町村中、43市町村の議会が海洋放出に反対や慎重の意見を採択している。

 海は、漁業者はもちろん、この世界に生きる(そしてこれから生まれる)すべての命のもの。だから私たちはみな「関係者」なのだ。

「これ海」では「関係者」の心からの声を県知事や両町長に直接届けたいと考えている。希望者には「呼びかけ文とハガキシート」セットをお送りするので、下記までぜひご連絡を。

「これ以上海を汚すな!市民会議」連絡先=koreumikaigi@gmail.com

(『週刊金曜日』2022年11月4日号)

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