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岸田政権の新・原発推進政策 「さようなら原発」実行委が反対署名14万筆提出

薄井崇友・フォトジャーナリスト|2022年12月21日7:00AM

集会の席で署名簿の束を前に決意を語った鎌田慧さん。(撮影/薄井崇友)

 岸田文雄政権の新・原発推進政策に反対する署名活動をしてきた「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」が12月2日、国内外から集まった署名14万463筆を衆議院第二議員会館で政府・経済産業省に提出。集会で行政交渉・議員要請も行なった。

 同署名では①稼働した10基の原発の即時停止と新たに稼働しようとする原発7基の再稼働の中止 ②原発運転期間の現行ルールを変更しない③原発の新増設及びリプレース(建て替え)の中止④新型原子炉開発ではなく福島第一原発を含む原発の廃炉研究を進めること――を要請。補足質問として6項目が添えられた。

 提出前には呼びかけ団体代表でルポライターの鎌田慧さんと、国会議員代表で立憲民主党の山崎誠衆議院議員が登壇。同党の近藤昭一(衆議院)、岸真紀子(参議院)両議員、参議院会派「沖縄の風」の高良鉄美議員もあいさつした。鎌田さんは岸田首相が「『原発は可能な限り政府が前面に立ってやる』と言い、まったく歯止めがきかない」と批判。岸田政権が稼働や老朽原発の運転延長だけでなく、原発活用で脱炭素社会をめざすとするグリーントランスフォーメーション(GX)実行会議を官邸に設置し、年末にも新増設やリプレースへと踏み込もうとしているからだ。

 提出後には経産省官僚3人が要請・補足質問に回答し、参加者と質疑した。参加者は「次世代炉とは世界基準では第何世代か」「次世代炉の建設コストは」「リプレースは廃炉後に同じ土地に建てるのか別の敷地に建てるのか」など具体的に質問。官僚は「革新炉と呼び、世界基準で何世代かとは言えない」「審議会が検討中」などの回答に終始。GX実行会議の言葉遊びが透けて見えた。議員要請には山崎氏の他、共産党の笠井亮衆議院議員と社民党党首の福島瑞穂参議院議員が出席した。

(『週刊金曜日』2022年12月16日号)

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