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「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」活用し
統一地方選で女性増目指す

宮本有紀|2022年12月24日7:00AM


 どうしても順位に目がいきがちだが、「順位をつけることが目標ではないので総合順位は設けていない」と三浦氏。男女差の大きい地域は順位が下がるが、男女ともに数値が低いと順位が上がるので、上位だからその地域に課題がないというわけでもない。たとえば進学率が男女ともに低い地方や男性も女性も賃金が低い地方は男女の平等度が高くなる傾向があるため、「地域格差と男女格差を並行して解決していく必要がある」として、「47都道府県すべて強みも弱みも違う。各地域の特色はどこにあるのか、強みはどこで課題はどこなのかを発見するツールとして使ってほしい」と目的を述べた。

「つくられた能力差」をなくす
 行政分野1位の鳥取は、片山氏が知事時代(1999~2007年)に県庁で女性の登用に取り組み、その「蒔いた種が花開いて圧倒的な全国1位に輝いた」と司会に紹介された。だが片山氏は「鳥取1位は嬉しいが、1人の力で短期間に全面解決するものではない。私だけの力ではないし、知事時代だけの成果でもない」と、前段階の取り組みから説明。1992年から95年まで当時の自治省から出向し同県の総務部長をしていたという片山氏は、管理職がほぼ男性であることに違和感を持ち原因を調べた。「基本的に女性は庶務の仕事しかさせてもらえていなかった。男性はたとえば税務課では課税や徴収、土木課なら設計か用地買収とかいろいろなことを担当する。女性は税務課でも庶務、土木課でも庶務。庶務の大ベテランになるが庶務しかできない。そうして管理職適齢期になったときに誰が適任かとなると男性の方が能力があると判断される。これは明らかにつくられた能力差」と気づく。

「女性が社会に進出しているならば男性は家庭に進出しなきゃいけない。家事も育児も地域社会との交わりもシェアする形でなければ本当の男女共同参画にはならない」と話す片山善博氏(中央)。左は三浦まり氏。右は岸本聡子氏。(撮影/宮本有紀)


 そして女性も多様な業務を経験する人事方針に切り替え、数年すると能力や意欲は「ジェンダー差ではなく個人差と明らかになった」という。その後、知事になったときに「経験を積んだ女性が育っていて管理職の女性登用がやりやすかった。つまり下ごしらえの期間があったから。そして知事時代も改革し、次の知事や県庁幹部が踏襲してくれたから今の結果になった」と解説し、急な女性登用をするのではなく能力を育てる時間が必要であると述べた。

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