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富山地裁の性暴力事件・無罪判決に抗議の署名が5801筆
小川たまか・ライター|2022年12月26日7:00AM
被害者「納得できない」
抗議署名提出後、富山県庁内の県政記者クラブで、この裁判の被害者参加代理人である坂林加奈子弁護士を含む「めざす会」メンバーによる記者会見が開かれたが、記者クラブ加盟社以外は取材できなかった。「めざす会」によればAさんによる「判決が出た直後は、世の中、司法、すべてが自分にとって敵に感じられ、消えてしまいたい気持ちになりました」「一審判決はまったく納得できませんでした」といった内容の書面を、坂林弁護士が代読した。
性犯罪関連では19年3月に各地裁で続いた4件の無罪判決が広く知られる。これらは後に全国に広がったフラワーデモのきっかけとなったほか、控訴断念となった1件を除く3件は高裁で逆転の有罪判決が下された。しかし、娘への性虐待が無罪となった名古屋地裁岡崎支部判決や、社会人サークルでその日に出会った女性への性暴力を無罪とした福岡地裁久留米支部判決でも被害者の同意がなかったこと自体は認められているだけに、Aさんに同意があった可能性があると判断した今回の富山地裁判決は、支援者らにとってさらに理解し難い内容となっている。
18日には「めざす会」によるシンポジウムが開かれた。登壇した角田由紀子弁護士は、性被害者であれば大声で助けを求めるはずとの誤った考え方が根底にあったのではないかと指摘。「判決は男性から見たあるべき女性像に依拠しているのではないか」と、今も司法の場に残るバイアスに触れた。
(『週刊金曜日』2022年12月23日号)