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産む産まないは自分で決める 緊急避妊薬&経口中絶薬の重大局面

神原里佳・ライター|2023年1月21日6:21AM

 女性のリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)について、二つの薬が重要な局面を迎えている。「緊急避妊薬」と「経口中絶薬」だ。

 緊急避妊薬は、性交後72時間以内に服用すれば高い確率で妊娠を防げる薬だ。世界約90カ国で薬局販売されており、安全性も認められている。

 しかし、日本では医師の診察と処方箋が必要で、価格も数千円~2万円と高額。必要な人が迅速に入手できないという問題がある。そのため「#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト」「SRHRユースアライアンス」などの団体がこれまで署名活動や厚生労働省への働きかけを行なってきた。

「#みんなでパブコメ キックオフイベント」の登壇者ら。共催の2団体はSNSでパブコメ参加を呼びかけたり、イベントを企画したりして、全国で議論を盛り上げていきたいとしている。(提供/#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト)

 2022年12月27日、厚生労働省が緊急避妊薬の薬局販売(OTC化)に関するパブリックコメント(以下、パブコメ)の募集を開始し、状況がようやく一歩前進した。

 23年1月6日、前述の2団体は共催で「#みんなでパブコメ キックオフイベント」をオンラインで開催。「#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト」共同代表の福田和子さんと染矢明日香さんは「これまで厚労省のOTC化検討会議には当事者の声が届かず、反対され続けてきた。パブコメは自分たちの声を届ける最後のチャンスになるかもしれない。1人でも多くの人に参加してほしい」と呼びかけた。

 東京都の薬剤師・鈴木怜那さんは、薬局に緊急避妊薬を求めて来た人がいたが、休日で対面診療に対応できる医療機関がなく苦慮した経験から、「薬剤師の立場から薬へのアクセスを良くする必要性を書きたい」と語った。

 また「SRHRユースアライアンス」の男性メンバーは「OTC化されると薬が悪用、濫用されるという意見があるが、WHO(世界保健機関)のデータでそれらは否定されている。パブコメでは反対意見に対する反論をしっかり書くつもりだ」と発言。

 緊急避妊薬を服用した経験があるという女性メンバーも「薬の入手がいかに難しかったか、自分の経験を書き、『産む、産まないの選択肢を私たちに』と求めたい」と強調した。

 パブコメ募集は1月31日まで。ウェブサイト「e‐Gov」の「案件一覧」で「緊急避妊薬」を検索すると、意見募集画面にアクセスできる。もしくは、こちらから。

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