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W7議長国、ドイツから日本へ
飯田光穂・ライター|2023年2月4日7:00AM
G7(主要7カ国首脳会議)の議長国は昨年のドイツから今年の日本へと変わる。それに伴い、W7(women7)の議長国もドイツから日本となる。その引き継ぎ式と日本のW7キックオフイベントが1月20日、日独両国と駐日EU代表部の共催により、東京都内で行なわれた。
W7とは、G7内でジェンダー平等と女性の権利に関する提案を促進するために集まった市民社会組織のグループ。あらゆる多様性を持つ女性・少女の人生に対して持続的で変革的な影響を与えることができる具体的な政治的・財政的施策をG7の指導者たちが約束することを目的としている。
昨年ドイツではどのような成果があったのか。
ドイツ女性協議会のフリアナ・ロシン氏とキャロリーナ・オーセラー氏は、「2022年のG7サミットで首脳宣言にFeminist Foreign Policy(FFP)宣言を入れたこと」が成果と誇る。
FFPとは「フェミニスト外交マニュアル」とも訳され、公益財団法人日本女性学習財団によれば、フェミニスト外交とは「主権、領土、軍備や経済の連携などがテーマとなる国家間の交渉。その外交に国益だけでなく、個人の尊厳や福祉など人権にかかわることまでを積極的に取り入れる」ことを指す。日本でもこのフェミニスト外交の重要性が周知され、発展することが望ましい。
W7ジャパン代表の三輪敦子、斎藤文栄の両氏は、日本のW7では以下五つのワーキンググループを立ち上げると宣言した。
1 女性のエンパワメント
2 経済的正義とケア戦略
3 身体的自律性と自己決定(GBV:ジェンダーに基づく暴力、SRHR:性と生殖に関する健康と権利、SOGI:性的指向と性自認、などを含む)
4 持続可能性と正義のためのフェミニスト外交政策(ジェンダーに基づく人道的危機への対応・女性と平和・安全保障)
5 ジェンダー平等のための説明責任と資金調達
三輪氏は「W7では常にグローバルサウス(途上国)に参加してもらってきた。これは現実を反映し多様な世界中の女性たちの視点を盛り込まない限り、ジェンダー平等、それから女性のエンパワメントは絶対に実現できないという強い信念からだ」と解説。「いま恵まれたものと恵まれていないものの格差がかつてなく開いている。システムチェンジに乗り出すことで平和と正義が市民を中心とした民主主義を通して実現できる世界を作っていかねばならない」とW7への思いを熱く語った。それを受け2022年W7アドバイザー代表のレモーナ・チャンダ氏は「気候危機の影響を受ける国はG7に出席できない。日本は東アジアの国を代弁してほしい」とエールを送った。