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オスプレイ飛行の差し止めを 米軍・横田基地公害を問う新訴訟
本田雅和・編集部|2023年2月6日7:00AM
日本は法治国家か?
93年には最高裁が「米軍の飛行騒音は違法」と認め、これを機に日米合同委員会が夜間飛行制限に合意。奥村さんは「これは成果だが、騒音は改善されず合意すら無視されている」と強調した。
瑞穂町の佐々木めぐみさん(54歳)は、自宅から100メートル先でホバリングを繰り返すオスプレイの写真を示し、「テレビの音など聞こえず、衝撃と風圧で木の枝や小石が家に打ち付けられる」と説明。夜間の室内で100デシベルを超える計測器のモニター表示も見せた。「夜9時半から自宅前で低空飛行が始まり、轟音と振動で休むことができず、足がしびれる」との日記も読み上げた。
後藤千恵子さん(74歳)は35年前、W値80の八王子市久保山町に引っ越してきた。「横田基地から6キロも離れているので大丈夫だろう」と思って購入した居宅だったが、「まさか軍用機のお腹が大きく見える、飛行コースの直下だったとは……」と語る。
特にオスプレイの騒音は「鼓膜を後ろからドンドンと突かれているような感覚で、他の飛行機とは全く別物」だった。オスプレイは「遠くからパラパラという音が聞こえ、ドッドッドという重たい音が1分以上も続くので、多くの飛行機騒音よりも、はるかに不快」と言うのだ。
後藤さんらの願いは「軍用機すべての飛行差し止め」だが、「せめて危険極まりないオスプレイの全面的飛行停止」「その他の飛行機については家族団欒の時間帯と夜間・早朝だけは飛ばないで」というのが「最低限の要望」だ。
米軍機の飛行差し止めについて最高裁や各裁判所はこれまで「米軍という日本国政府の支配が及ばない第三者の行為の差し止めはできない」との「第三者行為論」を踏襲、棄却し続けてきた。
この日の弁論で原告代理人の関守麻紀子弁護士は「領域主権(領土・領海・領空への他国の介入を排除して独立を確保する権利)という国際法上の大原則に従えば、米軍にも日本国法令は適用される。たとえ執行・管轄権が及ばないとしても、政府は米国・米軍に対し法令遵守を求めることはできる」と主張した。
(『週刊金曜日』2023年2月3日号)