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新しい政治ネットワークをつくる
2023年2月17日7:00AM
昨年は夏の参議院議員選挙で野党が敗退し、「野党共闘」の崩壊が決定的となった。臨時国会では立憲民主党が日本維新の会に「共闘」をもちかけ、さらに国民民主党は岸田内閣へ接近する姿勢を見せた。自公政権に批判的な有権者にとって、政権交代はどんどん後退し、暗澹たる空気が広がっているように思う。実際、立憲民主党の支持率は2・5%(時事通信)まで急降下した。現在の立憲民主党執行部が進める路線は、コアな支持層の離反を生んでいる。
しかし、希望がないわけではない。国政での野党勢力のふがいなさをしり目に、自治体選挙では新しい流れが生まれつつある。
昨年6月に投開票が行なわれた杉並区長選挙では、市民団体が擁立した岸本聡子さんが当選した。10月の品川区長選挙では、有力候補者が乱立したことで再選挙となり、森澤恭子さんが当選。野党側が候補者を一本化できない中、組織票で優位に立つ自民党候補が勝てず、落選となった。12月の茨城県議会選挙では、自民党の有力者が落選し、大きく議席数を減らした。
現在、岸田内閣の支持率は低迷し続けている。これまで栄華を誇った清和会も、安倍晋三元首相というリーダーを失い、統一教会問題で右往左往している。自民党に勢いはまったくない。連立与党を組む公明党も、組織票の減少に頭を痛め、支持拡大の景気を失っている。一方、立憲民主党にも日本維新の会にも国民民主党にも、支持が集まっていない。共産党も党勢を拡大しているとはいえず、れいわ新選組もまだまだ発展途上にある。要は、国会や既成政党全体に対する不信が強化され、国民の期待が集まっていないというのが実情だろう。
一方、この3年間のパンデミックの経験から、自治体の取り組みの違いが、命の問題に直結することを、われわれは経験してきた。市民目線で施策に取り組むリベラルな首長候補に、静かな期待が集まっている。この動きが、4月に予定される統一地方選挙の結果で顕著になれば、閉塞的な政治の現状に希望の光が差し込むかもしれない。
昨年末から「ローカル・イニシアティブ・ミーティング」という取り組みに参加している。リベラルな価値観を共有できる首長、自治体議員、立候補予定者をつなげることで、新しい政治のネットワークを生み出す試みである。
大きな花を咲かせたい。
(『週刊金曜日』2023年2月10日号)