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東海第二原発控訴審 国側代理人だった裁判長が事実上「回避」
脱原発弁護団全国連絡会|2023年2月25日7:00AM
東海第二原発(日本原子力発電、茨城県東海村)の運転差止訴訟の控訴審で、訴訟を担当する東京高裁の担当部が別の部に移った。
過去の原発関連行政訴訟の国側代理人などを務めていたことを問題視した一審原告側の弁護団が、永谷典雄裁判長に自発的な辞退を求めていた。
1月31日に予定していた控訴審の第1回口頭弁論は取り消しとなった。 当初担当していた第21民事部の永谷典雄裁判長が一審被告に有利な訴訟指揮をしたことから、原告弁護団の海渡雄一弁護士が、別件の六ヶ所再処理工場の裁判で永谷氏が国側の担当であったことを思い出し、弁護団が永谷氏の経歴を調査した。
「対戦相手のエースから監督になっていた人が、突然審判に」
すると、①1997年以降、約14年間にわたって、訟務活動(国を当事者とする訴訟活動。原子力関連行政訴訟も含む)に関与していた、②少なくとも2004年から08年までの間、国側指定代理人として、実際に原子力関連行政訴訟(六ヶ所再処理工場関連の事件)に従事していた、③11年4月1日から14年3月31日までの間、管理職として、原子力関連行政訴訟を管理監督していたことが判明。
本訴訟の第一審では国も被告としていたことから、12年7月31日から14年3月31日までの間は、本訴訟に関する国側の主張立証活動も管理監督していた可能性が極めて高いことが判明した。
そこで原告弁護団は、永谷裁判官に対し、1月26日までに裁判官自らこの事件の審理から外れない場合には、1月31日の第1回口頭弁論期日冒頭において忌避申立を行なうことを勧告した。1月25日、裁判所より担当部が交代することになったと連絡があり、事実上の「回避」がなされた。
(注:「回避」とは民事訴訟規則第12条に定められた手続きで、訴訟事件で、裁判官または裁判所書記官が、自己に除斥または忌避される原因のあることに気づいて、その事件の取り扱いを避けること)。
弁護団の海渡雄一弁護士は「永谷裁判官は、私たちが青森地裁で闘ってきた核燃サイクル裁判で国の代理人だった。東海第二の一審の裁判には代理人にこそなりませんでしたが、国の指定代理人のバックにいた。その人が裁判官になったということは、対戦相手のエースから監督になっていた人が、突然審判になったようなもの。公平に裁判がやれるわけがない」と述べた。
2月16日、22部に係属したと裁判所から連絡があった。
(『週刊金曜日』2023年2月24日号)