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「生涯弁護士活動しないで」 セクハラ対策弁護士からセクハラ被害と提訴

小川たまか・ライター|2023年3月11日1:16PM

原告側記者会見の模様。知乃さんは顔出しを避けた。(撮影/小川たまか)

 演劇界のハラスメント問題に取り組んできたことで知られる馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう)弁護士(47歳)から代理人としての立場や年齢差を利用した度重なるセクシュアルハラスメントがあり、最終的に不本意な性交を求められたとして、舞台俳優の知乃(ちの)さん(25歳)が慰謝料1100万円を求めて東京地裁に提訴。3月3日に記者会見を行なった。

馬奈木弁護士は福島原発事故について国と東京電力に賠償を求める集団訴訟(いわゆる生業訴訟)の代理人を務めたほか、堀潤監督の『わたしは分断を許さない』(2020年)でプロデューサー、演劇『憲法くん』(燐光群=りんこうぐん)で監修を務めるなど、映像・演劇業界でも名が知られていた。

知乃さんは17年、17歳の頃に演出家のI氏からセクハラを受けたと実名告発。その後I氏とは和解が成立し、その示談金をもとに18年4月に「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」(以下「なくす会」)を設立した。馬奈木氏は「なくす会」の「顧問」に就任し、知乃さんらから相談を受ける立場だった。ただし、顧問契約書や顧問料の支払いはなく「簡単なことであれば費用はもらわなくていい」と協力的な馬奈木氏の態度に知乃さんらは「恩義を感じていた」という(訴状より)。

「なくす会」はその後、過去に児童福祉法違反で逮捕され服役した演出家のY氏が復帰することを問題視し、公開質問を行なったことを理由に、Y氏から慰謝料500万円などを求める訴えを起こされている(本誌21年11月26日号既報。現在も係争中)。馬奈木氏はI氏との和解やY氏からの提訴について知乃さんが会見を行なった際にも同席していた。

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