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「報われない日々だったが追及を続けた」鈴木エイトさんにメディア・アンビシャス特別賞
山田寿彦・元『毎日新聞』記者|2023年3月19日7:00AM
大賞も統一教会報道に
銃撃事件の動機に繋がったとされる、安倍元首相が教団関連団体に送ったビデオメッセージを報じたのはごく一部のメディアだけ。「どうせ大手紙は報じないと安倍さんはたかをくくっていたのではないか。その認識は正しかったが、それを見た山上徹也被告に事件を起こされ、自分の命まで奪われた。皮肉なことだった」と鈴木さんは語る。
そのうえで「統一教会が政治家を利用し、取り入っただけではない。両者は相互に利用し合う共存共栄の関係にあった」ことに加え「メディアの監視機能が働かない中で関係がエスカレートした」と一連の経緯を分析した。
事件後はバラエティ番組でも統一教会問題を積極的に取り上げる制作者が出た。大手メディア、地方メディアも動き出した。「私には情報を独占する意図はまったくなく、いろんなメディアが一緒にやってくれるのがうれしかった。チームジャパンで疑惑を追及している感覚になった」とジャーナリズム復活の手応えを語った。
今後は山上被告の公判が焦点となる。「動機面がどう判断されるか。安倍さんを狙ったことが悪質とみなされれば(量刑)加重要件となり、動機に合理的理由が認められれば酌量減軽に傾く可能性もある。そこを説明できるのは僕しかいないので、裁判にかかわっていきたい」と述べた。また、「カルト問題は人権問題。信者も被害者だ。銃撃事件を人権の問題として考えるきっかけにすべきだ」とメディアの役割を重ねて強調した。
なお今回の「メディア・アンビシャス」活字部門の大賞は『毎日新聞』の「文鮮明氏『安倍派中心に』1989年発言判明 旧統一教会が政界工作」に。受賞作一覧は公式サイトで閲覧できる。
(『週刊金曜日』2023年3月17日号)
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