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コロナ感染した重度障害者の入院を都立病院が拒否
岩本太郎・編集部|2023年3月28日7:00AM
重度訪問介護(以下、重訪)を受けながら東京都内で暮らす障害者の女性が今年1月、新型コロナウイルスに感染し、入院を求めたものの、都立病院から受け入れを拒まれた。当事者団体が事情説明を求めたところ、都は当初対面での話し合いを拒否。反発した団体側が直接申し入れに行くなどした結果、2月には都庁で二度にわたって長時間の話し合いが両者間で行なわれるに至った。
感染した大田区在住のOさんは脳性まひのため言語障害があり、24時間介護の重訪を利用。また、東京都は昨年11月、当事者団体の「全都在宅障害者の保障を考える会」(鈴木敬治・連絡代表、以下、全都在障会)などとの間で、新型コロナウイルス感染の障害者には14カ所ある都立病院と高齢者等医療支援型施設での重訪の利用を認めると約束していた。Oさんは発症翌日の1月5日に救急車を呼び、都立病院への入院を要望。救急隊は担当部署の「新型コロナウイルス感染症対策東京都協議会調整本部」と連携し各都立病院をあたるも、すべて受け入れ不可に。結局Oさんは自宅待機を余儀なくされた(翌日には体調回復に伴い要望を取り下げた)という。
この一件を聞いた全都在障会の鈴木さんと、障害者団体「全国公的介護保障要求者組合」委員長の三井絹子さんらは1月10日以降、都側に話し合いを要求した。だが都の障害者施策推進部地域生活支援課は20日、今回の件は現場への周知不足が要因ではなく、急激な感染拡大による医療の逼迫、夜間だったことを挙げつつ「入院調整に関する個別の事例は個人情報」であるため答えられず、話し合いにも応じかねると回答。
それでも当事者団体側がなおも交渉したところ、同課は2月1日、「Zoomのみで30~40分間」の話し合いに応じると返答したが、「会話にはタッチパネルが必要な重度障害者もいるのに」(団体側関係者)と、さらに相手方の不信を買う格好となった。結局団体側は2月7日午後、支援者を含む約40人が前記の都庁地域生活支援課の窓口を直接訪問。約2時間40分待たされた末、同課の東條左絵子課長らとの間で最初の話し合いが持たれた。この席で団体側は、各都立病院で新型コロナウイルスに感染した重度障害者の重訪利用を認めると庁内で申し合わせた際の文書を(それが存在しない場合は作成のうえ)示してほしいと要望し、都側もこれを了承。1週間後の2月14日午後4時から2回目の話し合いを行なうこととなった。
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