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特別永住者証提示断った在日韓国人の口座開設を銀行拒否
「外国人差別」と救済申し立て
平野次郎・フリーライター|2023年4月3日12:11PM
在日韓国人男性が大阪市内のりそな銀行支店で預金口座を開設しようとした際、本人確認のための運転免許証を提示したが特別永住者証明書を提示しなかったとして口座開設を拒否された。
男性は3月10日、日本国内に住居がある在日外国人の口座開設に特別永住者証明書や在留カードの提示を求めるのは外国人差別だとして、日本弁護士連合会(日弁連)にりそな銀行と金融庁に対し差別的取り扱いをやめるよう警告することを求める人権救済申立書を提出した。
申立人の男性は韓国籍の在日3世で、特別永住者の在留資格がある。男性は2021年12月、りそな銀行鶴橋支店近くの職場に勤務することになったため口座を開設しようと同支店を訪れた。書類に必要事項を記入して運転免許証を示し、韓国籍の特別永住者であると告げたところ、窓口の担当者は特別永住者証明書の提示を求めた。男性は運転免許証で本人確認をしているから特別永住者証明書を提示する必要はないと主張した。
窓口担当者と代わった支店長は、りそな銀行の内規を示しながら日本国籍でない顧客については国籍、在留資格、在留期間を確認できる書類の提示を求めていると説明。男性は特別永住者証明書などを提示しなければ口座を開設できないというのは差別的取り扱いだとして提示を拒み、口座を開設できなかった。男性は他の2金融機関でも同様の扱いを受け、多民族共生人権教育センター(大阪市生野区)に相談して人権救済申し立てに踏み切った。
申立書によると、りそな銀行が示した内規は「お客様の確認事項」として氏名、住所、生年月日、職業などのほか、日本国籍がない場合は国籍、在留資格、在留期間を挙げている。こうした確認事項は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(以下、犯収法)に規定されているが、犯収法では日本国内に住居がある外国人の確認事項は日本人と同様と定められており、在留期間などを確認事項とする法的根拠はない。
具体的には、確認事項の写真付き本人確認書類として、犯収法施行規則は運転免許証、パスポート、特別永住者証明書、在留カードなどを挙げていずれかの書類を提示すれば足りるとしており、運転免許証があれば特別永住者証明書などはなくてもよいとしている。