特報!
電源開発、大間原発の地震動計算で断層の深さを誤入力
原子力規制庁「極めて重大な事案」
伊田 浩之・編集部|2023年4月5日1:23PM
「事実確認」は1年前
入力ミスが発覚した経緯も電源開発の能力に疑問を生じさせるに十分だった。
22年2月7日のヒアリングで同庁審査官から波形の不自然さ(前ページのグラフ参照)について「事実確認」があったが、電源開発は「この程度のレベルならあり得るだろうと思って結果の確認をしなかった」。
22年12月8日のヒアリングで同庁から再度、「事実確認」があったのが、入力ミスが判明した発端だった。
電源開発は今年1月6日、D社に解析を依頼。1月13日にD社から「C社の計算結果とは差異が認められる」と報告があり、1月16日になってようやく電源開発が入力ミスを見つけた。
前出の佐藤審査官は「(規制庁の)コメントがありながら、自分たちでミスを見つけられなかったのは極めて遺憾。(昨年の)2月7日に言われたのになぜ自分たちでチェックしなかったのか」と追及。同社の生沼哲・原子力建築室長は「恥ずかしい限り」と述べている。
電源開発は今後、地震動について3月中旬までをめどに全数のチェックを進めるとしている。