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「生きていく中で良いことなんか一度もなかった」
貧困の現場で格闘する若者たちが討論会

竪場勝司・ライター|2023年4月16日7:00AM

「反貧困ネットワーク全国集会」討論会で支援活動の現状などを報告する若者たち。(撮影/竪場勝司)

 一般社団法人反貧困ネットワーク(宇都宮健児代表世話人)の今年の全国集会が、4月2日に東京・文京区で開催された。活動報告ではこの1年間の「駆けつけ支援」の対象者の半数以上が1000円以下の所持金しかなかったこと、20代と30代の割合が全体の6割近くを占め「生きていく中で良いことなんか一度もなかった」などの絶望的な若者の声も紹介された。

「貧困格差、分断と排除に抗する若者世代の叛乱」をテーマとした討論会では、困窮者の支援活動に取り組む若者たちが発言。NPO法人「サンカクシャ」代表理事の荒井佑介さん(33歳)、「三鷹で焚き火をしよう」の阿部華奈絵さん(26歳)、NPO法人「TENOHASI」の幸田良佑さん(大学生)、仮放免高校生奨学金プロジェクト・チューターの加藤美和さん(大学生)、ガーナ国籍のミラクルさん(大学生)の5人が登壇し、活動の現状や課題、今の社会状況をどう捉えるかなどについて意見を交わした。

 加藤さんは入管(出入国在留管理庁)施設に収容されている外国人の面会活動にも取り組む。活動へのモチベーションについて問われた加藤さんは「日本の社会の仕組みや構造にすごく問題意識を持っていて、そこに対する怒りがある。自分自身が普通に何もせずに生きているのは抑圧の構造に加担していることだと感じて、声を上げなければと思った」と話した。

 荒井さんは、虐待を受けて家にいられなくなった若者たちなどのサポートに取り組んでいるサンカクシャの活動について紹介した。「サンカクキチ」と名付けた居場所を運営していて、そこにゲームのできるパソコンを8台並べた部屋もある。シェアハウス3カ所、シェルター2部屋を運営中だが、昨年末ごろから「住まいがない」という若者の問い合わせが急増しており、さらにシェルターを増やす計画だ。

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