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これでいいのか徴用工解決策
韓国の被害者、世論はどう見ているのか? 

金 銀 智(キム・ウンジ)・『時事IN』記者|2023年4月19日5:20PM

「韓国が違反し日本が正当であるかのよう」

日帝強制動員被害者の李春植氏(右から2人目)が、2018年の最高裁勝訴の所感を述べている。(撮影/慎善英)

 尹大統領は基本的に強制動員判決を「反日」という視点から見ている。政府案に対する批判も、安易に「反日扇動」と見なしたりもする。

 趙成烈前駐大阪総領事は、尹大統領のこのような認識が最大の問題だと指摘する。「今回の尹政権の動きは主客が転倒している。まるで韓国が国際法に違反し、日本が正当であるかのようだ。そもそも韓国最高裁の判決は、韓日請求権協定で取りこぼした強制動員被害者の問題を扱ったものだ。ところが日本側は、判決は協定に背いているのだから、それを収拾するのは韓国政府の方だと主張してきた。(尹政権の解決策は)その主張を丸のみしたものだ」

 被害者は、虚偽の雇用条件に騙されて仕事に従事した。虚偽だと気づいてもやめることはできず、強制労働を続けるしかなかった。逃げ出さないよう監視され、逃げたいと口にしただけでも殴られた。実際、逃げて捕まりひどい目に遭わされた者もいる。賃金はすべて貯金したと聞かされたが触ったこともなく、一銭ももらえずに解放(日本の敗戦)を迎えた。それすらも運よく生き残った場合だ。強制労働するなかで米軍の空襲で命を落とした者も多かった。強制動員判決は、こうした戦時犯罪の責任を問うているのだ。

 この点を正しく指摘したのは、宋斗煥国家人権委員会委員長だ。宋委員長が3月7日に発表した声明は、尹政権の解決策から日本の存在が抜け落ちたことの何が問題なのかを人権の面から説明している。誰がどれほどよい対策を出しても、加害者の反省がない限り問題は解決されないという意味だ。

「強制動員被害の賠償問題は、単なる金銭的な債権債務の問題ではない。人権侵害の事実認定と謝罪を通じた、被害者の人間的尊厳の回復に関わる問題だ。日本企業と日本政府が日帝強占期の強制動員など不法行為を認め、被害者とその家族に謝罪することは、被害の回復と和解、韓日両国の未来志向の協力関係を築く上でぜひとも必要なことだ」

「国連総会が2005年に採択した『国際人権法の重大な違反および国際人道法の深刻な違反の被害者に対する救済および賠償の権利に関する基本原則とガイドライン』によれば、賠償には、事実の認定と責任の承認を含む公的な謝罪、被害者への記念と追悼、すべてのレベルの教材に違反の正確な説明を記載することが含められるべきだ」

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