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「これ以上、海を汚すな!」 原発汚染水海洋放出に世界各地で「反対」の声

牧内昇平・フリーランス記者|2023年5月1日7:00AM

SNS通じて世界へ拡散

「これ海」のメンバーたちは年明け頃から、SNSを通じて4月13日に合わせた一斉行動を呼びかけた。その結果、日本国内だけでなく世界各地でアピール行動の写真がSNSに投稿された。

 米国のニューヨークでは8日、公共図書館の前で「汚染水を流すな!」集会が行なわれた。ニューヨークの近郊にはインディアンポイント原発があり、市内を流れるハドソン川への放射性廃水の投棄が計画されているという。福島の人々と危機感が重なった。

 フランスのパリでは現地の脱原発ネットワーク「よそものネット・フランス」の辻俊子さんらが街頭に立った。ニュージーランド南島の都市ダニーデンでは、地元オタゴ大学に留学している安積宇宙さんらが活動に参加。〈Tiakina te mana o te Moana-nui-a-Kiwa〉(マオリ語で「太平洋の尊厳を守ろう」という意味)と呼びかけた。フィジーでは砂浜に市民たちが並び、〈NO WASTE DUMPING〉(廃棄物を捨てないで!)と訴えた。現地の人のSNS投稿によれば、ソロモン諸島やマーシャル諸島でも反対の声が上がった。

 世界各地の海洋放出反対行動と同じ頃(15日、16日)、札幌市内ではG7気候・エネルギー・環境大臣会合が開かれた。会合後の共同声明には、海洋放出の安全面について「IAEA(国際原子力機関)による独立したレビューを支持する」との文言が入った。新聞などの報道によれば、当初の声明案では「海洋放出への取り組みを含めた廃炉の着実な進展を歓迎する」という文言が入る予定だった。だが各国との議論で「下方修正」された形だ。

 国連人権理事会で1月~2月に実施された日本の人権状況審査では、中国や太平洋諸国が日本政府に対して「十分な科学的データの提供」などを求める勧告を出した。海洋放出には海外からも異論が出ていることを忘れてはならない。

(『週刊金曜日』2023年4月28日号)

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