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「『ニュース女子』は虚偽」、辛淑玉さんの勝訴確定

本田雅和・編集部|2023年5月13日7:00AM

「大衆が笑いながら朝鮮人の女を愚弄する社会を終わりにしたい」。勝訴確定の記者会見で提訴後に受けた心の傷を吐露する辛淑玉さん(中央)。(撮影/本田雅和)

 反レイシズム団体「のりこえねっと」の辛淑玉・共同代表が、沖縄県の米軍基地反対闘争で「暴力や犯罪行為を煽り、それに経済的支援もしている」というまったく虚偽の番組をつくられて放送されたとして、制作会社のDHCテレビジョン(現・虎ノ門テレビ)などに損害賠償を求めた訴訟は、最高裁が4月26日付でDHC側の上告を棄却する決定をした。これで辛さんに対する名誉毀損の慰謝料550万円の支払いと、謝罪文のウェブサイトへの掲載をDHC側に命じた一、二審判決が確定した。

 辛さんは5月1日、東京の司法記者クラブで会見。6年間の「苦しかった闘い」をときに声を詰まらせながら振り返り、裏付け取材もしない自称〝ジャーナリズム〟の「劣化とその責任」を問うた。

 番組は2017年1月に東京MXテレビで放映されたトークバラエティ「ニュース女子」。沖縄・高江のヘリパッド闘争を展開する基地反対派の人々を「過激派」「武闘派」「テロリスト」などの言葉で印象付けて非難し、辛さんをあたかも「過激な反対運動を煽動している黒幕」として描いた事実は判決でも認定されている。

 賠償額は同種の名誉毀損訴訟と比べても高額だ。さらにDHCが地上波での放映後も自社ウェブサイトで同じ番組を発信し続けていたため、原判決が義務付けたのは番組内容が「事実と異なる」ことと辛さんへの「お詫び」を明示した謝罪文を、同サイトに掲げ続けることだ。それだけ酷い番組だったこともあるが、現在、同社ウェブサイトは閉鎖されている。

 辛さんは日本の司法制度で「最高裁まで勝ち続けられたことは大きな一歩」と評価する一方、今なお続くヘイトスピーチや誹謗中傷の執拗さに「何度もくじけそうになった」ことも吐露した。

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