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G7前にWomen7サミットが政策提言を岸田首相に

斎藤文栄・公益財団法人ジョイセフ グローバル・アドボカシー・ディレクター/W7ジャパン共同代表|2023年5月15日10:35AM

日本が世界のリーダーへ

 小倉大臣は若者代表から「日本は国際レベルに達するべく頑張るというが、むしろ世界のジェンダー平等推進をリードすることを目指してほしい」との要望を受け、「ジェンダー平等の議論が進んだと思ってもらえるようリーダーシップを発揮していきたい」とG7にかける意気込みを語った。

 海外からの参加も含めサミットは熱気に包まれ、活発な議論が交わされた。最後の質問時間では、若者らの発言に触発された高校生が「性教育を受ける機会を増やすために何ができるか」と英語で質問。アルゼンチンのフェミニスト活動家マーベル・ビアンコ氏が、「(自国では)①性教育は決断するために必要、②セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスサービスは中断させない、③安全な中絶は命を守ること、と3点同時に訴えている」と応じた。ジェンダー平等やセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の推進に関わる参加者も多く、「若い世代の声を聞き、改めてジェンダー平等を進めなければとの決意を新たにした」という声が聞かれた。

 翌17日には、「W7コミュニケ」を岸田文雄首相に届け、ジェンダー課題への尽力に対する世界からの期待を伝えた。首相は「多様性を大事にできる包摂的な社会を目指すのは基本。政府としても女性の経済的自立や女性に対するあらゆる暴力の根絶を目指し、こうした議論をリードしていく姿勢を大事にしている。いただいたコミュニケについても、ジェンダーの視点をG7の議論の中に取り入れるべく努力していきたい」と述べた。

 昨年ドイツで行なわれたG7では、ジェンダー平等の達成に向けた進捗を継続的に監視する「ジェンダー格差に関するG7ダッシュボード」が創設された。ジェンダー課題の進展に関し、G7がどのような評価を下すのか注目したい。

(『週刊金曜日』2023年5月12日号)

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