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改憲・大軍拡にNO! 東京の護憲集会に2万5000人
「今回はあまりにもおかしい」

佐藤和雄・編集部|2023年5月20日7:00AM

2023憲法大集会」では、参加者が「#改憲 大軍拡NO!」「敵基地攻撃能力いらない」「守ろう! 平和・いのち・くらし」のプラカードを掲げ、アピールした。(撮影/薄井崇友)

 憲法記念日の5月3日、東京都江東区の東京臨海広域防災公園で、市民らが「あらたな戦前にさせない! 守ろう平和といのちとくらし 2023憲法大集会」と題するイベントを開いた。主催者発表では参加者は約2万5000人。岸田文雄政権が進める軍拡と安保政策の大転換への危機感からか、参加者は前年に比べて約1万人も増えた。

 開会挨拶に登壇した「5・3憲法集会実行委員会」の高田健氏は「『新たな戦前』という言葉は最近、非常に現実味をもって語られるようになった。今、岸田政権の下で私たちは『新たな戦前』をめぐる分水嶺にある。敵基地攻撃の能力を持てば攻撃がしたくなる。戦争の準備をすれば戦争がしたくなる。私たちがしなくてはならないのは、平和の準備だ」と強調した。

 続いて登壇した室蘭工業大学教授の清末愛砂氏は「物価上昇でこれまで以上に厳しい生活を強いられているという切実な声がある。防衛費の財源確保を優先する政治の愚劣さ。立憲主義の核の一つである公平な分配は完全に否定されている」と指摘。「『新たな戦前』を止めるために求められているのは、人々のつながりの輪を広げていくことだ」と述べた。

 沖縄大学地域研究所特別研究員の泉川友樹氏は「今年は日中共同声明の成果を深めた日中平和友好条約が締結・批准されて45周年。『台湾有事は日本有事』などと国会議員が無責任に発言するのは専守防衛からも許されないが、それ以上に日中平和友好条約の精神に反している。私たちは煽られるのではなく、台湾をめぐる問題が平和的に解決されるように促していくべきだ」と訴えた。

 漫画家の東村アキコ氏は、ビデオメッセージで「みんな本当にぎりぎりの生活をしながら税金を納めているというのに、起こるかどうかも分からない戦争に(税金を使う)。起こるかもしれないというのならば、その内容を知りたい」と述べ、政権が具体的な説明をしないままに軍事力を強化していく姿勢を批判した。

 さらに「あまり政治的な発言はしないようにしてきたが、さすがに今回はあまりにもおかしい。今回はターニングポイントだなって感じているので、こうやって声を上げた。みなさん、一緒に声を上げていきましょう」と呼びかけた。

(『週刊金曜日』2023年5月19日号)

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