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戦争ではなく平和の準備を 「軍拡NO!女たちの会・北海道」が発足
徃住嘉文・報道人|2023年5月21日7:00AM
「戦争に役に立つかどうかで人が選別される社会」
雨宮さんは「権力関係の行き着く先は、戦争の役に立つかどうかで、人が選別される社会」と見る。「生きる価値があるか、お前、国のために何ができる、と恐ろしい問いを突きつけてくるのでは」。しかも現場の相談会で目撃するのはこんな現実だ。「コロナ禍でホームレスになった同じような境遇の人たちがひとことも会話せず、目も合わせない。おそらく自分は頑張ったけど不運が重なってこうなった、でも他のみんなは怠け者だ――そう思っていると感じる瞬間がある。自己責任を内面化している世代は連帯が難しい」
田中さんは、できる人ができる範囲で運動を進めればいいと言う。参考にするのは江戸時代の農民一揆の知恵だ。「統治者に参加者全員の連署で要求書を届けると首謀者は打ち首になる。縦書きだと最初の人物が首謀者とされるから円形に署名し、誰が中心人物か分からなくする。女たちの会も、シンポジウムやマーチは参加のハードルが高い人のためスカーフを作った。身に着けるだけで意思表示になる」
最後は北海道教育大学准教授の本庄十喜さんが「日中戦争前夜、女性たちは参政権がないだけでなく家父長制の下で声をあげる術を持たなかった。侵略戦争ノーの声を上げた伊藤千代子たちは治安維持法の犠牲となった。性別に関わりなく、すべての人たちが声をあげられる今だからこそ、私たちは高らかに戦争ノーとはっきり宣言しなければならない」と締めくくった。
(『週刊金曜日』2023年5月19日号)