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「金と引き換えに産ませるのか」
自民党「出産したら奨学金返済免除」案を学生らが批判

竪場勝司・ライター|2023年6月3日7:00AM

政策失敗の結果と認めよ

 今回の自民党から出ている案について冨永さんは「少子化問題は個人の責任ではないのは明らかであり、政策が失敗していることの結果だ。それを認めずに、子どもを産める体を持った人たちの選択に委ねる形で子どもを産むように圧力をかける、そういうやり方はすごく汚いと思う」としたうえで、次のように厳しく批判する。

「少子化には経済的な要因が一番大きいが、気候危機の問題、男女平等が達成されていないことなど他の要因もたくさんある。1人の子どもを今の社会に産み落とすというのは重大な責任を伴うことであり、これを決断することは人生で一番大きな選択と言っていい。それを奨学金の返済免除という形で『これをしたら産めるだろう』と考えるのは妊娠・出産、子育てを軽視している。そういう意見を少子化対策の柱として出そうという話が党内から出ること自体が偏っている」

 誰もが安心して子どもを産める状況を作るためにはどんなことが必要か。これについて冨永さんは「みんなが健康で文化的な生活ができるような環境が整えば、自然に子どもを産むという選択肢が生まれる。賃金を上げ、労働環境を改善して、生活を良くしていく、そういう基本的なことを整えることが先だ」と話す。

 首都圏学生ユニオンではオンライン署名に賛同してくれた人たちを対象に、奨学金や出産、自民党の政策などに関するアンケートを実施中だ。その結果をまとめたうえで、署名の提出や要請活動を行なう予定だ。

(『週刊金曜日』2023年6月2日号)

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