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命を左右する改正入管法が成立 送還される人たちの運命は
樫田 秀樹・ジャーナリスト|2023年6月7日11:19AM
光州事件のデモ参加者も
韓国国籍のキム・イジュンさんも入管法改正案の成立を恐れている。
キムさんは2009年、仕事のために来日した。ところが滞在中に、1980年5月に韓国で起きた光州事件(政治集会やデモ禁止への市民の抗議運動で、政府発表でも市民の死傷者が3586人となった事件)に関わる学生デモに参加していたことが発覚する。帰れば確実に逮捕され、投獄は間違いない。キムさんは韓国に妻子がいるが「帰れない」立場に追い込まれた。そして滞在ビザの失効と同時に2年8カ月も収容され、以後、仮放免者として生きている。
キムさんはこれまで難民認定申請を2回行なったが、2回目の申請は今年2月28日に不認定とされた。キムさんから私へのメールを紹介する。
「もし私が強制送還されたら、間違いなく拘束、起訴され、懲役20年以上を言い渡されることになるでしょう」
帰国しようにもできない。キムさんは今、3回目の難民認定申請をどうするかを真剣に悩んでいる。
日本には、帰国を拒む送還忌避者は22年末時点で4233人いる。入管は、その一部は偽難民であるとみなし、帰国後にどうなるかの想像は一切していないと思われる。
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