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候補者男女均等法の施行から5年 見えてきた成果と課題とは

宮本有紀・編集部|2023年6月12日7:00AM

「4年後の統一地方選挙では100人の候補者を出したい」と話すFIFTYS PROJECTの能條桃子さん(中央)。(撮影/宮本有紀)

 男女の候補者数をできる限り均等にすることを目指し2018年に成立した「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律(候補者男女均等法)」の施行5周年を記念し、「クオータ制を推進する会(Qの会)」は5月23日、参議院議員会館で集会を開催。各党議員を含め約90人が参加した。

 法成立後、野党の一部は数値目標を掲げ、共産党や立憲民主党のように女性候補者5割を達成した党もある。与党も女性候補者擁立に努力する姿勢は見られるようになった。法律成立に尽力した三浦まり・上智大学教授は「理念法で強制力のない法律と言われたが、成立後、社会の景色は変わった。たかが理念法、されど理念法だと思う。残念ながらまだ努力目標にすぎないが、それでも数値目標の効果はある」と評価する。

 今年の統一地方選挙でも女性候補者・当選者が過去最多になった。ただし、Qの会によれば女性議員比率は県議会で11%、市議会で22%、町村議会15・4%と3割未満。国会でも参議院は26・6%、衆議院は10・3%と課題は多い。

 統一地方選挙に関連し、野田聖子議員(自民)は「議連(政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟)の仲間だった行田邦子さんが埼玉・行田市の市長になった。画期的なこと。首長は党に縛られず有権者にリーチできると確信した。同じく議連メンバーだった木村弥生さんが東京・江東区長選で激戦を制した。東京都は小池百合子知事の活躍で、女性がトップでいることが当たり前ということが浸透していたのでは」と分析。

 古屋範子議員(公明)は「統一選で世代交代が進み、女性候補者が増えた。地方で女性を出そうという動きが高まり、党全体で33・5%が女性議員になった。この流れが国会で女性議員を増やす流れにつながることを期待している」と話した。

 成功例もあるが、もちろん課題もある。徳永エリ議員(立憲民主)は、北海道知事選で現職知事に対抗する候補が2月時点でも決まらず、最終的に女性の候補を立てた経緯を説明。「半年あれば勝てたかもしれないのに、なぜもっと早く彼女にしなかったか。その背景には男性を出したいという思いがある。候補が見つからず困って女性にするというのではダメで、最初から女性候補で戦うという決意でやらなければ」と苦言を呈した。

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