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「右手に釣り竿、左手に憲法」という団体も 「九条の会」全国集会の多彩な顔ぶれ

竪場勝司・ライター|2023年6月13日7:00AM

5年ぶりに開かれた「九条の会」全国交流集会で発言する参加者。(撮影/竪場勝司)

 日本国憲法九条を中心に、これを改憲しようとする動きに抗い、護憲を訴える市民団体「九条の会」の全国交流集会が5月28日、東京都千代田区の日本教育会館で開かれた。各地の「九条の会」からの参加者が活動を報告。岸田文雄政権による大軍拡に反対し、憲法改悪の動きを阻止する活動を強力に推進していくことを確認した。

 コロナ禍などの影響により全国交流集会は2017年10月以来の開催となった今回は、全国の32都道府県から292人が参加した。「九条の会」は9人の著名人が呼びかけ人となり2004年6月に発足。全国各地の職場や学校などに次々と「九条の会」が結成されていった。呼びかけ人の一人である大江健三郎さんが今年3月に死去したのを受け、今回の交流集会では「大江健三郎さんの志を受けついで」がテーマに掲げられた。

 集会では最初に「九条の会」事務局長の小森陽一さんが報告。「大江さんは会の結成にあたっても大事な役割を果たされた。私が聴いた講演では一度も同じ話はされず、会のために全力を尽くされた」などと、大江さんと「九条の会」の関わりについて言及した。

 小森さんは先に閉幕したG7広島サミット(主要7カ国首脳会議)が「被爆地・広島で開催しながら結果として核兵器による抑止を全面的に正当化したことは、被爆者に対する大きな冒涜だ」と厳しく批判。

「『核兵器は防衛目的に役立つ』とした文書を出しながら、それを岸田首相は『核廃絶に焦点を当てた文書だ』と大嘘をついている。任期中の来年9月までに憲法改正をすると明言しており、5年間で43兆円の大軍拡をするための法案が参議院で審議入りしている」と指摘したうえで「これまでの『専守防衛』を捨てて、憲法の平和主義を踏みにじり、国民の経済や暮らしを無視する形で軍拡のための大増税をやっていく。これが岸田政権の本質だということを多くの国民に明らかにしていく必要がある。私たちはこうした大軍拡政策に対する反対の声を、大きく運動として進めていくことが求められている」と呼びかけた。

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