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「戦争の準備ではなく、平和の準備を」東京・足立の地から世界に発信 「『九条』を世界に贈るプロジェクト」がスタート

竪場勝司・ライター|2023年7月2日7:00AM

会見で「九条プレート」イメージ図を発表したプロジェクト事務局と賛同人各氏。(撮影/竪場勝司)

 日本国憲法の第九条を世界中の人々に知ってもらい、「非戦の誓い・戦争放棄」の理念を広めていく活動に取り組む「『九条』を世界に贈るプロジェクト」(大谷猛夫代表)が始まり、6月22日、東京・足立区の北千住で発表記者会見が開かれた。プロジェクトでは今後、憲法九条の条文を記載した「九条プレート」の英語版や朝鮮語版などを、各国の平和団体などに贈る活動を展開していく。

 プロジェクトが始まるきっかけになったのは、足立区の住民らでつくる「千住九条の会」が2020年1月に国際ジャーナリスト・伊藤千尋さんの講演会を開いたことだった。講演で「九条の碑」が国内外にいくつもあることと、東京にはまだ碑がないことを知った千住九条の会の人々は、同年11月に「『九条の碑』を建立する会」を結成。21年7月に記者会見を開いて運動への協力を呼び掛けたところ、全国の800近い個人・団体から計約600万円を超える寄付が集まった。これを基に22年6月、同区柳原に球体をした「九条の碑」が設置された。

 碑の建立の運動では、九条の条文を刻んだ「九条プレート」も制作した。メンバーの話し合いの中で、プレートを海外にも贈ろうというアイデアが出て、「建立する会」の有志が今年3月、プロジェクトを立ち上げた。

「九条プレート」は45センチ×45センチの大きさでアルミ製。朝鮮語・中国語・英語・フランス語・スペイン語の各国語版を、各国の平和団体や平和活動家に贈り、プレートを各国での活動に活用してもらうことを想定している。今後2年間で100カ所以上に贈ることが目標だ。

 プロジェクトの賛同よびかけ文では、岸田文雄政権が昨年12月に安全保障関連3文書を閣議決定し、敵基地攻撃能力の保有など大軍拡の道を突き進んでいる現状を指摘。「憲法九条違反の危険な戦争国家づくりを許すことはできない」としたうえで、「『軍事対軍事』に代わる平和への道は『九条』に基づく平和外交だ。私たちは日本が起こした過去の侵略戦争への深い反省から二度と戦争をしないと誓った日本国憲法第九条を世界に広げたいと思います。日本国憲法第九条は、世界中の平和を求める人々の希望です」と、プロジェクトに込めた思いを綴っている。

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