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コミュニティFMが災害時に担う役割とは

2023年7月6日7:00AM

6月24日に東京・府中駅前で開かれた公開フォーラム。(提供/ラジオフチューズ)

 

 コミュニティFMが災害時に担う役割を問うフォーラムが、6月24日に東京・府中市で開かれた。

 主催者のラジオフチューズ(一般社団法人東京府中FM)は2018年に開局。定額料金を払えば誰でも自分の番組を作って放送できる方式(例:週1回の3分番組が月額5500円)で、刑務所の受刑者支援やLGBT当事者による放送などマイノリティを対象にした番組も数多い。地元の府中市役所と防災協定を結ぶなど災害関連の放送にも力を入れており、開局5周年記念連続フォーラム(全3回)の1回目として前記を企画した。同局理事で進行役の大山一行さんは「災害時は特に高齢者や外国人などが“情報難民”と化す危険性が高い」と冒頭で説明した。

 パネリストは兒玉健吾(IT会社社長)、青木崇(FM西東京)、張堂聡文(国分寺市高木町自治会長)の3氏。ラジオフチューズの番組は兒玉さんの会社によるアプリ「FM++」でインターネットでの聴取が可能。同アプリはユーザーから局への情報発信機能も持つ。雲仙・普賢岳噴火(1991年)を経験した当地のFMから防災情報発信手段について相談されたことが開発のきっかけだったと兒玉さんは語った。

 近隣市のFMに携わる青木さんは「道路冠水などの災害情報はその近くにいる人が一番知っている」と、地域密着型のFMこそが災害時に重要な情報発信の拠点となりうると強調。張堂さんは地域住民の約7割が加入する同町内会で常日頃から力を入れている防災活動をベースに地元の行政と連携を図っている様子などを説明した。

 質疑応答では市外から来た高校生が「外国語による放送は現状でどの程度行なわれているのか」と質問するなど、参加者との間で活発なやり取りが展開された。2回目は「関東大震災から100年~フェイクの震源~」をテーマ(仮)に9月23日開催の予定だ。

岩本太郎・編集部

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