日本は総合が146カ国中125位で、G7では最下位 前年から9ランクダウン
神原里佳・ライター|2023年7月12日7:00AM
カナダの首相は自称フェミニスト 「日本の首相は?」
閣僚と市民による対話では、性的マイノリティや障害女性、性暴力、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)、女性の労働など、多岐にわたるテーマで各国の政策や市民活動を共有した。
たとえばフランスでは女性の人工妊娠中絶を選ぶ権利を憲法に明記するようマクロン大統領が提案。ドイツはパートタイム労働者もリーダーになれる仕組みを整えていること、カナダは21年以降、女性議員と性的マイノリティの議員の数が過去最高レベルになっていることなど、先進的な取り組みが紹介された。
カナダの首相がフェミニストを自称していることも話題にのぼり、司会者が小倉氏に「日本の首相は?」と問いかけると、同氏がW7のバナーを掲げて連帯の意を示し、拍手が起こる一幕もあった。ただ、市民の目は厳しい。
前出の浅倉むつ子氏は、世界115カ国で批准している女性差別撤廃条約の選択議定書を日本がいまだに批准していないことを批判。「現在の日本はとても国際社会の人権をリードしているとはいえない。一刻も早く国会で議論を」と要望した。また「全国女性シェルターネット」理事の北仲千里氏は、今年、性犯罪やDV防止に関する法整備が進んだことを歓迎する一方で、加害の処罰の基準や被害者支援についても早急な見直し・改善を訴えた。
ユースからは若手女性議員を増やす「FIFTYS PROJECT」の活動に取り組む能條桃子氏が登壇。「日本では人権よりも少子化対策が男性中心の政治の中で支持されている。マジョリティや当事者ではない人たちによって法整備が進み、現状が改善されない。政策決定の場に女性や当事者を増やしていくことが不可欠だ」と力をこめた。
(『週刊金曜日』2023年7月7日号)