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東京・明治神宮外苑地区再開発に反対の動きが拡大 故・坂本龍一さんらの遺志継ぐ 

岩本太郎・編集部|2023年7月15日7:00AM

坂本さんが遺した手紙の他、再開発問題の関連情報も網羅されたサイト「坂本龍一と神宮外苑を心配する」https://jingugaien.jp/)

 

 東京の都心、新宿区から港区にかけて広がる明治神宮外苑で今年3月から工事の始まった、大規模な再開発事業に対する反対運動が盛り上がりを見せている。

 同地区では、2021年開催の東京五輪・パラリンピックの会場となった国立競技場の周辺などで展開された反対運動も今なお記憶に新しい。今回は外苑地区一帯に土地を所有する明治神宮の私有地での民間開発だと位置づけられた事業計画が、東京都による認可や建築規制の緩和も受けて動き出す中、一帯の環境悪化を懸念し計画に反対する声が著名人からも次々に上がり、ネット上でもホットな話題となっているのだ。

 とりわけ強い影響力を発揮しているのが、3月28日に亡くなった音楽家の坂本龍一さんが死の直前の3月上旬、東京都の小池百合子知事らに送った手紙である。坂本さんは手紙の中で「目の前の経済的利益のために先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」と再開発の中止を訴えた。だが小池氏は「明治神宮にも手紙を送られた方がいいんじゃないでしょうか」(3月17日の会見での発言)などとかわすばかりだ。

 米国人の経営コンサルタントで東京に在住のロッシェル・カップさんは、昨年2月に都が事業計画を承認して以来、見直しを求める署名活動のほか、認可の取り消しを求める住民訴訟の原告としても活動。6月29日に行なわれた東京地裁での第1回口頭弁論では自ら意見陳述した。同25日には作家の村上春樹さんがTOKYO FMのラジオ番組で、自身も長く住民として親しんだ同地区の再開発に「個人的に強く反対しています」と発言したことも話題になった。

 音楽関係でも4月22日には同地の聖徳記念絵画館前の西側通路でミュージシャンの後藤正文さんらによる反対集会が開かれ、主催者発表で約6000人が参加した。5月には歌手の加藤登紀子さんもユーチューブのメッセージ動画でこの問題について意見表明。小池氏に「あなたなら東京の緑の環境を守ってくれる」との思いで過去に都知事就任を応援したことにも触れつつ再考を促した。この動画は坂本さんと交流のあった人たちが遺志を継ごうと始めたシリーズの第1回で、以後も著名人を含めた各氏が登場する見込みだ。

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