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ジェンダー課題をアートで発信
明日少女隊、日本初の個展

宮本有紀・編集部|2023年7月21日4:57AM

 ジェンダー平等を目指して活動するフェミニストアーティストグループの「明日少女隊」が、日本で初めての個展「We can do it!」を東京・北千住で7月22日から8月6日まで開催する。

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「フェミニズムはトランスと共に」アクションの一つとして行なわれた「私のことは私が決めるマーチ」。(提供/明日少女隊)

 明日少女隊は、ジェンダーや国籍の異なるメンバーにより2015年に発足。日本、北米、韓国、欧州、南米など世界各地に点在する10代後半から30代の通算約50人の隊員が、ジェンダーに関連する社会問題について、アートを通して世界に発信してきた。今回の個展は発足後9年にわたる作品を公開するという。

 作品のテーマは、刑法性犯罪規定の改正や「慰安婦」問題、トランスジェンダーの権利などさまざま。たとえば刑法の性犯罪規定を性暴力被害の実態に合うものに改正するための活動では、「#イヤよイヤよは嫌」を複数言語で表現したポスター制作や国会前でのアートパフォーマンスを行ない、他の被害当事者団体や支援団体などと共に「Believe―わたしは知ってる」キャンペーンを展開。「Believe(信じる)」は、性暴力被害者が周囲の人に被害を信じてもらえず孤立し、さらに傷つくという二次加害にあいやすい実態から、「被害者を信じて寄り添うことが大切」という思いで名付けられた。

 当事者らが声をあげ被害実態を政治の場に届けたこともあり、性犯罪規定は2017年、制定から110年ぶりに大幅改正が実現。今年6月にも再改正された。

 現代の性暴力と、戦時下で人権を踏みにじられた「慰安婦」の苦しみをつなげ、国境と世代を超えた連帯を目指すパフォーマンスが「忘却への抵抗」だ。米・ロサンゼルスや韓国・ソウルの「少女像」のそばで「日本人『慰安婦』像になってみる」パフォーマンスをするアーティストの嶋田美子さんとコラボレーションし、ソウルの「水曜日集会」では「私たちは家父長的な軍事政権の手によって犠牲になったすべての被害者と連帯する。国家の枠を超えて女性同士で連帯し、忘却に抵抗して記憶で対抗しよう」と訴えた。

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