「汚染水を海に流すな!」
市民らが首相官邸前で抗議
薄井崇友・フォトジャーナリスト|2023年8月28日5:51PM
岸田文雄首相が日米韓首脳会談で渡米中の8月18日、東京電力(東電)福島第一原子力発電所の敷地内に貯まり続けるトリチウムなどの放射性核種を含む汚染水(政府のいう処理水)の海洋放出をめぐり「政府は早ければ週明けの8月22日にも関係閣僚会議を開き、具体的な放出開始の時期を判断する」と福島の報道機関が報じた。
同日、市民団体「これ以上海を汚すな!市民会議」(以下、これ海)、「さようなら原発1000万人アクション」が「汚染水を海に流すな!8・18首相官邸要請行動」を東京・永田町で共催。福島や首都圏各地から市民約250人(主催者発表)が平日・猛暑の首相官邸前に集結し、「約束を守れ! 汚染水を海に流すな!」の声を上げた。
汚染水の処分方法について政府・東電は2015年8月、福島県漁業協同組合連合会と「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」との書類を交わした。漁業関係者は海洋放出に強く反対し続けている。首相と東電・小早川智明社長は共にこれを「順守する」とはしているが、市民は「約束を破るな!」と訴えているのだ。
集会で佐藤和良さん(これ海共同代表)は「福島の沿岸漁業は水揚げがやっと事故前の2割に戻った。ここで汚染水を流されたら生業がなりたたない」と訴えた。