東海第二再稼働賛否は「県民投票で!」
茨城県水戸市で市民集会
薄井崇友・フォトジャーナリスト|2023年9月16日4:08PM
東海第二原子力発電所(茨城県東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票を求める「いばらき原発県民投票の会」(以下、同会)は9月3日、二度目の直接請求に向けたキックオフ集会「原発県民投票 意思表示しようぜ!フェス」を水戸市内で開催した。
県内各地域の世話人ら約50人(主催者集計)が参集した同集会では、新共同代表の5人を発表。二回目の直接請求への取り組みや「シール投票」などの普及活動を確認した。同会事務局長の富岡彰さんは今後の方針として「前回の倍、7000人の署名協力者(受任者)で署名数も約2倍の15万筆を目標に、地域支部を充実させ来年6月議会の前に『本請求』し県民投票を目指す」と述べた。
直接請求は住民が必要数の署名を集め首長に本請求し、首長が議会に上程。議会が採決する。同会は2020年5月に直接請求を実現。必要署名数の約1・78倍に当たる8万6703筆を集めたが、県議会は時期尚早として否決。同会は再び直接請求するため今年4月6日、24年1~3月に署名活動を行なうと発表していた。
原発回帰が鮮明な岸田文雄政権は東海第二を含む原発7基の再稼働を目論む。原子力規制委員会は同原発を合格とし、24年9月にも安全対策工事の完了が見込まれ、再稼働の判断が予想されている。同会はその前の県議会で条例案が審議可決することを目指す。同集会では富岡事務局長が「今は私たちの知らないところで物事が決まってしまう。市民がいかに声を上げるかだ!」と訴え、メンバー全員が「意思表示しようぜ!」と拳を突き上げた。
鹿児島県民投票条例「本請求」直前の「川内原発20年延長を問う県民投票の会」(本誌6月9日号、9月1日号既報)も同集会にリモート参加のうえ報告を行なった。黙ったまま、国や電力会社のいいなりになるわけにはいかない。
(『週刊金曜日』2023年9月15日号)