パレスチナにルーツ持つ日本在住者が記者会見
「恒久的攻撃停止」「事実の報道」求める
薄井崇友・フォトジャーナリスト|2023年12月21日3:54PM
イスラエル大使館前デモなどで出会った若者ら約20人で活動する「〈パレスチナ〉を生きる人々を想う学生若者有志の会」が12月7日、東京の衆議院第二議員会館で会見を開いた。同会はパレスチナ問題を長年研究する岡真理さんによる「ガザを知る緊急セミナー ガザ 人間の恥としての」のほか、新宿駅前で大きなキャンバスに〈赤い涙〉を描き加える「パレスティニアンズ・オブ・ジャパン」の企画(本誌11月24日号・12月1日号表紙で筆者既報)をサポート開催するなど、パレスチナにルーツを持つ日本在住者らとともにイスラエル軍によるパレスチナ侵攻に抗議を呼びかけている。
会見では①ガザ・西岸地区に対する「恒久的な攻撃の停止」をイスラエル政府に求めるよう日本政府に、②国際人道法の観点にのっとり「パレスチナでの事実」を報道するよう報道機関に、それぞれ働きかけた。この他、パレスチナ人などが現地の惨状を報告。千葉大学の栗田禎子教授(中東近現代史)、東京造形大学の前田朗名誉教授(法学者)らが事態を憂慮し、即時停戦と人道支援を訴えた。
①については12月5日「要請文」を上川陽子外務大臣あてに同会が提出したことを報告した。
②についてはガザ出身のシアム・ハニンさんが、報道機関が自由のないパレスチナ人と自由なイスラエル人を同じ土俵で伝える姿勢を「レイプした側とされた側を同室に置くのと同じようなこと」と批判。「まず解放。解放があってこその平和だ! このことを忘れずに報道して欲しい」と訴えた。
前田さんは、イスラエルの侵攻について国際法上のジェノサイドの可能性を論じ、指揮するネタニヤフ首相も罪の責任を問われるべきだろうと指摘のうえ「国際社会はなぜ沈黙しているのか? 私たちはなぜ沈黙しているのか? これを許している政治的・道義的責任を私たちも問われる」と述べた。
(『週刊金曜日』2023年12月15日号)