「日本のジェンダー平等政策を国際基準に」 議定書批准求めリレートーク
古川晶子・ライター|2024年6月18日8:03PM
今年10月、日本政府はジェンダー平等政策の実施状況について、国連女性差別撤廃委員会の審議を受ける。特に注視されるのは条約を補う文書、選択議定書の批准だ。批准すると「個人通報制度」と「調査制度」の手続きが可能になり、ジェンダー平等政策の強力な推進力となる。日本の批准を目指す市民や国会議員らが5月23日、東京・新宿駅前で街頭リレートークを行なった。主催は女性差別撤廃条約実現アクションと、女性差別撤廃委員会の日本報告審議までに選択議定書の批准を実現させる会。
日本共産党の倉林明子・参議院議員は、世界各地の戦争で子どもや女性が犠牲になっている状況から「ジェンダー平等といちばん逆行するのが戦争」と指摘し、暮らしや教育ではなく軍事に大きな予算を割く政治を批判。立憲民主党の辻元清美・参議院議員は「女性議員が多い国では教育や子育て関連の政策が重視され、予算が配分される。結果的に社会が活性化される」と女性議員が増えることのメリットを述べ、クオータ制を推進する会の山崎摩耶さんは女性議員増加効果のあるクオータ制の導入を求めた。
非正規職員の処遇改善を求める公務非正規女性全国ネットワーク・はむねっとは「地方自治体で働く非正規職員の8割が女性。行政がジェンダー不平等を作り出している」と指摘。社民党の福島みずほ・参議院議員は、女性の法的地位は戦前と比べれば進歩したが性別役割が温存されているとして、「女性が生きづらいこの国を変えていきましょう」と呼びかけた。
mネット・民法改正情報ネットワークの坂本洋子さんが「夫婦の姓が別々でも家族の一体感は損なわれない」と選択的夫婦別姓の実現を訴えると、聞いていた20代の女性は「個人通報制度が使えるようになったら裁判官の判断に影響を与えられると思う」と、選択議定書の批准実現に期待を寄せた。
(『週刊金曜日』2024年6月7日号)