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改定入管法施行で弁護士らが危惧 「政府と入管は国際法の遵守を」

岩本太郎・編集部|2024年7月5日2:34PM

 昨年6月に成立した改定入管法(出入国管理及び難民認定法)が6月10日に施行された。前日には「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」(代表・指宿昭一弁護士)が「改悪入管法施行にあたっての声明文」(※1=以下、声明文)を、施行当日は指宿氏ら「入管を変える!弁護士ネットワーク」もアムネスティ・インターナショナル日本と連名で「改定入管法施行後の世界において国際難民法・国際人権法に沿った対応を求める決意声明」(※2=以下、決意声明)を発表。記者会見で今後の運用への危惧を表明した。

改定入管法成立前の2023年6月5日に国会前で開かれた反対集会。(撮影/岩本太郎)

 改定入管法において特に問題とされているのは①送還停止効(難民申請中の外国人の強制送還停止)の例外規定、②監理措置制度、③送還拒否に対する罰則規定、の3点だ。まず①について「声明文」は、入管の長期収容問題の責任を「送還を忌避する者」へと転嫁し、送還をやりやすくするための法改定だなどと批判。「決意声明」も、追放および送還の禁止を謳った慣習国際法のノン・ルフールマン原則を損なうことを懸念している。

 ②は、在留資格がない外国人の退去手続きを進める際に入管収容ではなく「監理人」監督下で生活できることにした制度。だが国が認める「監理人」と呼ばれる支援者に重い負担が課されるため制度を利用できる者が限られ、それが逆に収容の長期化につながることを「決意声明」は危惧している。

 ③は、現状ではイラン出身者が主な標的とされるようだが、カナダではその難民申請が9割以上認定されているとして日本政府や入管庁に国際難民法・国際人権法の遵守を要請(決意声明)。どちらも制度の適切な運用、本来あるべき制度の整備を訴えている。

 10日の記者会見で前記「弁護士ネットワーク」共同代表の駒井知会弁護士は日本政府と入管庁に法を守らせるよう「あらゆる合法的手段を尽くす」との決意を述べた。

※1声明文=https://x.gd/jwj4E
※2決意声明=https://www.amnesty.or.jp/news/2024/0613_10364.html

(『週刊金曜日』2024年6月21日号)

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