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東海第二原発運転差止訴訟控訴審 基準地震動を超える地震動がこないといえるのか

脱原発弁護団全国連絡会|2024年10月17日5:47PM

 9月9日、東海第二原発運転差止訴訟の口頭弁論期日が東京高裁で開かれた。一審被告の日本原子力発電の敦賀原発2号機再稼働が事実上認められず、また、本件原発の防潮堤の基礎部分の実質造り直しの問題が起こってからの最初の期日となった。

9月9日、70人近くが集まった東海第二期日前の門前集会。(写真/脱原発弁護団全国連絡会)

 一審原告側が、主張書面の内容をプレゼン資料を用いて口頭説明。審査基準にはHEAF事象(アーク火砕、アークブラストホットショート)に対する火砕影響評価基準が欠落していること、避難計画に関する上岡直美・環境経済研究所代表の補充意見書に基づき、一審被告のシミュレーションが過小評価である旨の説明を行なった。

 最後に只野靖弁護士が、自然災害等の事象の発生確率が高いことなど予測困難な事実を、具体的危険があることの要件とすることは相当でないという原審の判示を支える事実として、最新の科学的知見によっても、本件発電所の運転期間内において、いついかなる自然災害がどのような規模で発生するかを確実に予測することはできないこと、としたことが、極めて正しいことを、地震と地震動を例にして次のように説明した。1995年の阪神淡路大震災をきっかけに全国で地震計が配備されたこと、2007年の静岡地裁浜岡原発運転差止訴訟請求棄却判決に対して石橋克彦神戸大学名誉教授が指摘した「この判決が間違っていることは自然が証明するだろうが、その時は私たちが大変な目に遭っている恐れが強い」は、3・11の原発震災で皆が経験することになったこと、原発の設計の要となる基準地震動を超える地震が過去10年間でのべ7カ所で起こったこと、今年の能登半島地震等を示し、裁判所における審理・判断の対象と基準は当該原発を襲う可能性がある地震動をカバーしていなければならないこと、基準地震動を超える地震動が当該原発を襲うことがまずないと言えるものではならないことであると述べた。

 期日後集会では、進行協議期日で、防潮堤での不良工事があったが再稼働の見通しはあるのかと裁判所からの一審被告に対する問いには、10月をめどに工事計画変更認可申請をするとの回答にとどまったと報告があった。防潮堤の問題の前は再稼働の前に判決という流れだった。

 次回口頭弁論期日は12月25日15時。

(『週刊金曜日』2024年9月27日号)

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