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「さようなら原発」集会に5000人参加 「原子力の夢から醒めるんだ!」

薄井崇友・フォトジャーナリスト|2024年11月5日2:52PM

 福島第一原発事故から13年半、9月16日(敬老の日)に、今年も東京・代々木公園で「命をつなぐ地球環境を! 9・16さようなら原発全国集会」が開催された。

代々木公園の野外ステージ前がプラカードで幟で埋め尽くされた。(撮影/薄井崇友)

 主催は「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」(落合恵子、鎌田慧、古今亭菊千代、佐高信、澤地久枝、藤本泰成、武藤類子の各氏が現在の呼びかけ人)。原発事故があった2011年の6月に発足し、当初の呼びかけ人のうち何人かが亡くなったものの、その後もバトンタッチしながら脱原発を訴え続けている。この日も市民ら約5000人(主催者発表)が参加。集会後に会場近くの渋谷・原宿一帯でデモも行なった。

 畠山澄子さん(ピースボート)の司会で始まった集会はシンガーソングライターの片平里菜さんがライブで盛り上げた後、13時半、呼びかけ人から佐高さんが開会のあいさつ。続く各地からの報告では最初に宮城の多々良哲さん(女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション)が「11月再稼働の報道がある女川2号機は福島第一と同型の原子炉だ」と前置きしつつ「(推進派の目論みは)女川に露払いをさせ、福島と同型の柏崎刈羽(新潟)や東海第二(茨城)の再稼働だ。だから女川を止めるのはきわめて重要だ」と述べた。

 福島の織田千代さん(これ以上海を汚すな!市民会議)は「流されて1年になる処理汚染水には、トリチウム以外にもストロンチウムや炭素14が残っていると言われている」と指摘。海洋放出を安全だとする政府・東京電力(東電)への疑念を呈示し、「作業員に困難な被ばく労働を強いて進めるデブリの取り出しなど、廃炉の最終形は語られず闇雲のままだ」と原発事故の闇の深さを訴えた。 

各地から続々と報告が

 青森の栗橋伸夫さん(核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会)は、柏崎刈羽原発からむつ市中間貯蔵施設への使用済み核燃料の輸送計画に言及。「青森県は核施設のオンパレードだ」と抗議した。そして、新潟の有田純也さん(新潟県平和運動センター)が「柏崎刈羽原発から使用済み核燃料がむつ市に移送されれば、東電は原子炉の制御棒を抜く」と訴え、県議会と知事が再稼働に同意しないよう再稼働反対の民意を示すために、「11月にも県民投票を求める直接請求行動を開始する」と表明した。県民投票運動は茨城県でも進行中だ。

 さらに、福島からは阿部ゆりかさん(3・11甲状腺がん子ども支援ネットワーク)、茨城から相良衛さん(東海第二原発運転差止訴訟原告団)が報告したほか、気候危機に声をあげる「FFF(未来のための金曜日)」の二本木葦智さん(大学1年生)、中村千博さん(大学3年生)がスピーチした。そして呼びかけ人の落合さんは、

「原子力が世界を救うという夢からみんなもう醒めるんだ。なのに、まだこの国、日本は原子力を信じる政党をあなたたちは支持するのか?と私たちに問いかけている」

 という英国人ジャーナリストの

クリストファー・ロイド氏による著書『137億年の物語』の一節を挙げ、次のように呼びかけた。

「答えましょう! 私たちは政権与党をまったくまったく支持しません。原発に反対です。これを言い続けていきましょう!」

(『週刊金曜日』2024年9月27日号)

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