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沖縄・与那国島でのオスプレイ「事故」はなぜ起きた? 陸自オスプレイ全17機の飛行停止

西村仁美・ルポライター|2025年1月22日7:41PM

 沖縄県の与那国島で2024年10月27日、陸上自衛隊の垂直離着陸輸送機オスプレイV―22(以下、オスプレイ)が訓練中、離陸直後に左翼下部が地面と接触。機体の一部を損傷した。統合幕僚監部は事故を発表し、国内にある陸自オスプレイ全17機の飛行を停止させた。

駐屯地前では住民が抗議のスタンディングを展開。(撮影/西村仁美)

 この訓練は自衛隊と米軍による日米共同統合演習「キーン・ソード25」の一環として行なわれたものだ。26日に当該機体を使用のうえ、災害救助法に基づき、自然災害を想定した形で避難者やけが人を島外へ避難させる訓練を計画。糸数健一・与那国町長や町議会議員を含む町の関係者らが町を通じ、与那国駐屯地司令から招待を受け、一部は同機に体験搭乗し、訓練も報道公開の予定だった。

 ところが「悪天候の影響により航空機が使用できない」との理由で26日の同訓練は中止となり、予備日の翌日に町関係者や報道関係者を除外した形で開かれた訓練で事故が発生した。糸数町長は「町民へ不安を与えたことは誠に遺憾だ」とのコメントを発表した。

 事故原因について陸上幕僚監部は、エンジンの出力を上げるインテリム・パワー・スイッチを操縦士がオンに入れ忘れた人的要因によるものとする調査結果を11月14日に発表した。飛行停止の措置は同日より解除され飛行再開が表明されるも、事故機は11月25日現在もなお与那国島にある。

陸自からの回答は

 今回の演習に際し、オスプレイの飛行中止を防衛省や与那国町などに対して求めていた市民団体「与那国島の明るい未来を願うイソバの会」は事故を受け、改めて飛行禁止の要望書を町や町議会に提出した。住民の間にもこうした不安が広がっていることに関し同町は「すでに報道にある町長のコメントの通りです。再発防止の徹底と町役場に対しての速やかな情報提供を陸上自衛隊に申し入れ、求めたということです」と取材に回答。

駐屯地グラウンドの敷地内にある事故機オスプレイ。(撮影/西村仁美)

 事故機について陸上幕僚監部は、暫定配備される木更津駐屯地(千葉県)に海上輸送のうえ修理する模様だが、その時期は未定とのことだ。今回の事故は「墜落ではないか」との筆者からの質問に対しては「墜落ではなく、左翼の下面が地面と接触したものです」(陸幕広報室)と回答した。

(『週刊金曜日』2024年11月29日号)

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