佐渡鉱山追悼行事の改善や資料展示を求める要請書 政府は強制労働の史実認めよ
本田雅和・編集部|2025年4月1日9:09PM
世界文化遺産に登録された新潟県の「佐渡島の金山」での、戦時中の労働者に対する追悼行事が、昨年11月、現地で開催された。日本政府は朝鮮人への「強制」連行や「強制」労働を認めずに「全ての労働者に感謝の意を示し追悼する」などとし、新潟県も佐渡市も同様の見解を示した。韓国側はこの追悼式には参加せずに式の翌日、当時動員された朝鮮人が収容されていた「第四相愛寮」の跡地で独自の追悼式を実施した。
市民団体「強制動員真相究明ネットワーク」(飛田雄一・共同代表ら)(※)は2月3日付で、日本政府による「明治産業革命遺産」の一連の世界遺産登録過程で「朝鮮人への強制労働を認めていない」ことを批判し、①日本政府は佐渡鉱山での戦時の強制労働を認め、展示に史実を明記すること、②追悼行事では強制労働への反省を踏まえた追悼の意を示すこと、③新潟県立文書館に非公開保管されている「半島労務者名簿」など朝鮮人強制動員の史実の資料を収集し公開すること――などを求める書簡を国・県・市に送った。
佐渡鉱山を巡る日韓交渉で日本側は地元の相川郷土博物館で「朝鮮半島出身者を含む鉱山労働者の暮らし」展を開くことを約束し、その中でも「過酷な労働」があったことは記したが、「強制」は一切認めず、初の追悼式もその認識の延長線上で開催。日本政府代表は「追悼の辞」ではなく「あいさつ」を述べ、外務政務官・生稲晃子参議院議員も「全ての労働者への敬意や哀悼」を表明しながら動員朝鮮人については「朝鮮半島から来た」と表現、植民地・朝鮮からの労務動員の強制性を隠した。政府は行事運営を実質上、県や市に任せて市民参加が制限された官許運営にし、「強制労働を反省し追悼しようとする市民の声は反映される余地がなかった」と要請書は指摘している。
このような姿勢は「朝鮮人のみならず江戸期や近代の部屋制度で労働を強いられた人々の労働実態を否定する。動員被害者の遺族の心情に反し、その尊厳を侵す」とし、昨年の初の追悼式への韓国側の不参加を「反日病」と論評した『産経新聞』社説(昨年11月26日付)などを「日本社会の植民地主義に関する歴史認識が問われている」例として挙げた。
(『週刊金曜日』2025年2月14日号)