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大津原発裁判、2月6日で結審「未来に恥じない判決を12月25日に勝ち取りたい」

瓜生昌弘・福井原発訴訟「滋賀」を支える会|2025年4月1日10:27PM

 2月6日、大津地裁で福井の関西電力の原発7基(大飯3・4、高浜1~4、美浜3)の運転差し止めを求めた裁判の第43回口頭弁論があり、審理が終結した。判決は12月25日に言い渡される予定。

期日後の記者会見・報告集会。滋賀弁護士会館にて。(写真/瓜生昌弘)

 原告として福島からの避難者の青田勝彦さんと医師の福田章典さんが、それぞれの経験と立場から原発の問題点を指摘し、裁判長に公正な判断を求めた。

 次に、原告代理人弁護士が、90分にわたり原発事故被害の実態、司法判断の枠組み、新規制基準の不合理性、地震・津波・避難計画・火山噴火の問題点、放射性廃棄物問題等の要点をパワーポイントを使って説明。最後に、井戸謙一弁護団長が、原発を止める力を持つのは裁判所だけであるとして、裁判長にその権限の適切な行使と未来につながる判決を求めた。

 一方、被告関西電力は、福島原発事故をふまえ、厳格な対策を求めた新規制基準の適合審査を受けていること、万一、基準地震動を超える地震が起きても、ただちに安全が損なわれることがない対策をしていること、住民の避難計画についてはその前提となる重大事故を引き起こす具体的危険はない等を約10分間説明した。

 弁論後の記者会見・報告集会で、井戸弁護士は、次のように述べた。①地震大国日本で原発を動かすには、他国と比較にならない高い安全性が求められる。②関電側は、最終的に「自分たちの主張は原子力規制委員会に認められている」「専門家の意見書で支えられている」という点に逃げており、原告が指摘している具体的な問題について安全だということを立証できていない。③一見、精緻な手法で策定されているかに見える基準地震動であるが、現実にはこれを超える地震動が多発している。精緻な手法で検討しているから、これ以上の地震はこないという発想がそもそも間違っている。基準地震動という枠組みを認めるにしても、過小評価になっていることも指摘している。

 さらに、今後の展望として、今までは仮処分の決定が多かったが、これからは本訴の判決ラッシュを迎える。一つ一つ勝って原発のない社会を実現したいと述べた。

 また、辻義則原告団長は、福島第一原発事故直後から始まった大津での裁判を振り返り、弁護団や関係者への感謝と、未来に恥ずかしくない判決を勝ち取りたいという決意を表明した。

 支える会では、12月25日の判決に向けて、最終準備書面に関する学習会など県民向けの取り組みを行なうこととしている。

(『週刊金曜日』2月28日号)

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