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高齢男性のみの経営に危機感 メディア企業の女性役員3割求める署名2万5千筆

吉永磨美・ジャーナリスト|2025年4月23日8:36PM

 日本民間放送労働組合連合会(民放労連)と日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は3月11日、メディア企業の女性役員を3割にすることを求め、約2万5000筆のオンライン署名をフジテレビと日本民間放送連盟(民放連)に提出した。

フジテレビの吉田優子総務部長(右)に署名を渡す西村誠MIC議長と岸田花子民放労連委員長(左から2番目)ら。(撮影/吉永磨美)

 民放労連とMICは、元タレント中居正広氏の性的加害疑惑におけるフジテレビの対応で放送業界の時代遅れの価値観や感覚が明らかになり、経営陣におけるガバナンスの欠如、コンプライアンス意識の不足、人権への理解の欠如が深く関わっていることを指摘。問題の背景にメディア全体に見られる、意思決定層が高齢男性で占められている実態があり、ハラスメントなどを防ぐためには、女性や多様な視点が必要だと指摘している。その危機感から、2月5日にオンライン署名「今しかない!メディアは〝オールドボーイズクラブ〟からの脱却を!はじめの一歩として女性役員を3割にすることを求めます」を立ち上げた。

 3月11日午前には、民放労連の岸田花子委員長とMICの西村誠議長らがフジテレビ本社を訪れ、吉田優子総務部長に署名を手渡した。その後、民放労連、MICの幹部らが吉田総務部長らと約1時間面談。民放労連によると、面談では、フジ側は「さまざまな人たちと対話をしてその声を経営側に伝えたい」との意向を示し、労組幹部の意見や要請を受け止めていたという。岸田委員長は「女性3割を目指すにはどうしたらいいか、具体的な議論をした。フジテレビからは本当に変わろうとする決意がうかがえた」と感想を述べた。

 女性役員を3割に引き上げる要請について、岸田委員長は「自然には増えないので、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)が必要。優秀ではない女性が意思決定につくのではないかという議論があるが、では意思決定層にいる男性は全員優秀なのかと問いたい。女性3割というのはファーストステップで、本当は(引き上げの数値は)5割だと言いたい」と話した。

 同日午後には民放連に署名を提出した。今回の署名提出は6日の日本テレビを皮切りにスタート。17日までに在京のテレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京に提出する予定だ。

(『週刊金曜日』2025年3月21日号)

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