民主党政権で教育はどうなる
総選挙へ。社会の矛盾をはらみながらも、未来に向けての確かな舵取りが求められる教育において、次政権はどのような施策をとるのだろうか。各党への緊急アンケートも行ない、問題点に迫った。
■交差する「期待」と「不安」 歴史的転換か、狡猾な罠か 瀬下 美和◆「子どもたちの未来へ向けた投資を」 民主党 3次の内閣4 文部科学大臣の小宮山洋子衆院議員に聞く■「世界一の学力を!」は時代錯誤の発想 寺脇研さんインタビュー 聞き手/北村肇本誌編集長ゆとり教育を提唱した寺脇研さん。文部科学省在職中は映画評論を手がけるなど、異色な官僚として知られた。長年の教育行政に携わった経験をもとに、戦後教育について語ってもらった。◆教育政策を各政党に問う 民主党・公明党・共産党・社民党・国民新党 衆議院選挙をひかえ、衆議院に議席がある各政党に争点と思われる教育政策について質問状を送り、回答を寄せてもらった。自民党は回答拒否だった。
- 野望渦巻くデジタル書籍化グーグルの著作権侵害に刑事告訴で対抗せよ 明石 昇二郎インターネット検索最大手「Google(グーグル)」が世界中の書籍を次から次へと無断でスキャンし、商売に使おうとしている。その数はすでに七〇〇万冊にのぼり、本誌編集委員らの書籍も含まれる。「知的財産の征服行為」に対し、著者や出版社はどう対応すべきか?
- 自由民主党衆議院議員「危機と戦う! セーフティネット政策議員連盟」世話人・幹事長片山さつきさんに聞く 小泉政権に投じた“ロス・ジェネ”を失望させたくない政権交代も予想される総選挙が近づく中、旧態依然にみえる自民党にも若手を中心にさまざまな新しい動きが出ている。四年前の郵政解散選挙で、財務省から政界に転じた片山さつき衆議院議員もそのひとり。「危機と戦う!セーフティネット政策議員連盟」幹事長を務めるなど、貧困問題に取り組む。小泉政権が推し進めた構造改革と、格差・貧困の拡大との関係をどう考えるのか。この国のゆくえにどんなグランドデザインを描くのか。聞き手 北村肇(本誌編集長)
- 三菱重工を中心に再び動き始めた軍需利権ルート 野田峯雄日米の軍需利権を扱っていた日米安全保障議院協議会が秋山直紀氏の逮捕後、潰れた。これで軍需利権の集合体は消えたかに見えたのもつかの間、再び日米の防衛族を結びつける組織が生まれた。
- ゼネコン利権・諫早干拓事業反対者を切り崩しか麻生渡・福岡県知事の漁協潰し 李 隆福岡・熊本・佐賀・長崎の四県にまたがる有明海内にある諫早湾(長崎)の干拓事業。干潟はヘドロに沈み、ムツゴロウが死滅して一三年目の今、漁協が喰われている。全国知事会長の麻生渡福岡県知事は、佐賀地裁が下した諫早湾堤防開門命令を忘れたのか。◆採掘量虚偽報告疑惑ゼネコンは未採取海砂を不正請求したのか
- アスベスト被害を歩く同じ空気を吸っていたのに 一・五キロの外は救済なし 永尾 俊彦死者三一三人。兵庫県尼崎市にあった大手機械メーカー・クボタ(本社・大阪市)の旧神崎工場の労働者と周辺住民らの石綿による死亡者の、この六月までの総計だ。尼崎市東部の狭い地域で、まさに死屍累々たる被害が出ている。「クボタショック」から四年になる尼崎市を歩いた。
- 闇に葬られる非正規の労災 野村 昌二非正規労働者の労災が急増している。衛生陶器最大手「TOTO」で働いていた男性は、「偽装請負」の末に亡くなった。年老いた両親は会社を提訴。雇用だけでなく、職場の安全も脅かされている非正規労働者たち。亡くなった男性の両親の想いを中心に、非正規の労災の実態を伝える。
- 佐藤優の歴史人物対談7ベルンシュタインと語る 民主的な漸進的変革で社会主義を実現する日雇い派遣を原則禁止する労働者派遣法改正案は昨年の臨時国会から提出されていたが、一度も審議されず廃案となった。これでは、生活が不安定なフリーターは増え続ける一方だ。貧困問題の解決に、議会は、民主主義は本当に役に立つのか。国会議員を長く務めたベルンシュタインの考えを聞く。