日蝕ニッポン

■自然エネルギーは一〇〇年に一度の産業革命です 飯田哲也 アンドリュー・デウィット太陽が隠れる日蝕にお祭り騒ぎをする日本人たちの姿は、皮肉なほど今の日本の置かれた状況を表すのに象徴的だった。自動車産業に匹敵する市場規模にも成長しうると言われる再生可能エネルギー市場。そのグリーンエネルギー革命に、世界各国は政府主導で大規模な投資を進めている。一方、太陽光発電で一時は世界をリードしていた日本も今や“ジャパン・イズ・パッシング”。グリーン産業革命を目の前にしながら“素通りする”だけの環境後進国と成り下がってしまった。さらに国内ではエコ政策と称してバラマキをし、いまだに太陽光や風力などの再生可能エネルギーよりも原子力発電に莫大なコストを支払おうとしている。日本は今、今後五〇年、一〇〇年の命運を決めてしまう危機的な状況に目を向ける最後のチャンスを迎えている。■低炭素革命への補正予算は消費の前倒し 「ワイズ・スペンディング」のウソ 桃井貴子自公政府が実施した補正予算約一四兆円。その目玉である低炭素革命一兆五七七五億円の中身をあらためて検証すると、環境に逆行するバラマキだったことがはっきりと見て取れる。ますますグリーン産業革命から日本は遠のくばかりだ。■民主案に対抗した温暖化対策だが…………… 経産省と財界が押し切った自民党案 編集部地球温暖化対策推進本部(本部委員長は野田毅衆院議員)低炭素社会形成推進基本法PTの自民党議員に渡されたという日本自動車工業会からの礼状。

  • 佐高 信編集委員インタビュー後藤田正純 国家主義でなく国民主義の政治を自民党内リベラル保守の若手を代表する後藤田正純前衆議院議員。サラ金問題、貧困問題に取り組み、党内幹部議員にも率直にもの申す後藤田氏に、現在の自民党と、選挙後の政界について訊いた。
  • 浮躁中国17ウイグル暴動炸裂した民族矛盾 興梠 一郎新疆ウイグル自治区の暴動事件は、長年にわたる民族差別が原因とされる。チベットと並び、中国の火種と言われるウイグル問題だけに、解決は容易ではない。中国の民族問題の根の深さが、またひとつ露呈した。
  • 「アイヌ=先住民族」国会決議から1年 平田 剛士「政府はアイヌを先住民族と認めよ」と衆参両院が決議して1年がたった。政府は新施策の準備を進めるが、差別と抑圧の歴史に終止符を打ち、アイヌ民族復権を実現するには、多数派和人の社会こそ、真摯に過去の清算に臨む「覚悟」がいる。
  • 「白バイ事件」で浮かび上がる「高知県警の犯罪」証拠偽造などで服役者が国家賠償請求の訴え 粟野 仁雄白バイが停車中のバスに衝突して警官が死亡した際、バスを「動かした」として有罪が確定した運転手・片岡晴彦さんの冤罪事件が昨年一一月二一日号の本誌で報じられ、大きな反響を呼んだ。その後明るみになった、権力の証拠偽造の手口を暴露する。
  • タミフル全面解禁の道を開いた「新型」インフルエンザの正体 浜 六郎秋以降の第二波で強毒化するかもしれないとインフルエンザのワクチン製造を促し、パンデミックをあおる論調が止まらない。さらに今回の騒動を機にタミフルが全面解禁となった。その危険性を指摘してきた筆者が、これまでの騒ぎを検証する。
  • ドイツ・チェコ・ガーナ訪問大統領オバマの歴史認識 梶村 太一郎黒人・白人の人種、イスラム教・キリスト教の宗教、アジア・アフリカ・米国・欧州の地域性など、あらゆる国際的カラーを秘めた希有な大統領であるバラク・フセイン・オバマ。彼が行なったいくつかの演説からその歴史認識を読み取る。
  • 痛憤の現場を歩く99小泉4代目が総選挙に出馬する神奈川11区労働者派遣といくさの思想から脱却できるか 鎌田 慧麻生太郎首相は7月21日、衆議院を解散、8月30日の投開票日まで40日間という異例の長期戦がスタートした。国会議員の世襲問題でも麻生自民党はブレ続け、今回は制限は見送られた。その恩恵を受けたのが、小泉純一郎元首相の地盤を引き継ぐ二男の進次郎氏だ。小泉4代目が出馬する地元を歩いた。

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